4月第1週(4/1−4/7)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) 景況感2年3カ月ぶり悪化(4/2) ***
日銀の3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が、大企業製造業でマイナス5(良いと答えた企業数から悪いと答えた企業数を引いた値)となり、98年12月以来2年3カ月ぶりに悪化に転じた。マイナスは、2000年3月以来である。アメリカ景気の減速により、生産が減速している。大企業製造業も、マイナス13と3ポイント悪化した。景気のけん引役である2001年度の設備投資計画も、大企業の合計で4.7%に落ち込み、景気の先行きへの企業の見方は慎重になっている。
(2)郵貯残高68年ぶり減少(4/3) **
2000年度末の郵便貯金残高が250兆3691億円と、前年度末に比べ3.7%減少した。10年前に預けた高利回りの定額貯金が、大量に満期を迎え、68年ぶりに残高が減った。しかし、減少額は、民間の金融機関の予想より少なく、郵貯人気が根強いことを改めて示した。今年の4−7月も、満期を迎える定額郵貯が集中しているため、2001年度も減少は確実である。しかし、2002年度のペイオフ(預金などの払い戻し保証を一定額までとする措置)解禁を控え、信用力の低い民間金融機関から郵貯に資金がシフトする可能性がある。このため、2001年度の郵貯残高の減少は小幅に留まりそうである。
(3) 不良債権2年で処理−緊急経済対策(4/4) ***
政府・与党の4日の緊急経済対策によると、最大の懸念材料の不良債権問題の解決に重点が置かれ、主要銀行について、回収不能の恐れのある「破綻懸念先」以下の債権に最終処理の期限を設定した。現在抱えている不良債権は2年以内、新規発生分は3年以内と明記する。2000年9月末時点で、この不良債権は、12兆7000億円に上る。このような主要銀行の処理は、企業の整理・再編だけでなく、地方銀行の不良債権でも最終処理が迫られる。
(4)「一致」50%割れ景気減速色濃く(4/6) ***
内閣府によると、2月の景気動向指数は、景気の現状を示す一致指数が、14.3%となり、3カ月ぶりに50%を割った。米景気の減速で、生産関連の指標が軒並み悪化したのが主因である。これは、98年12月以来の低水準である。また、半年先の景気を示す先行指数は、42.9%と2カ月連続で50%を下回った。
(1) 乗用車の世界販売3年ぶりマイナス観測(4/5) *
世界の乗用車販売は、昨年過去最高の約5600万台であったが、2大市場のアメリカと欧州の減速で、今年は前年比2−9%の減少に転じると予測している。アメリカでは、GMやダイムラークライスラーが、余剰能力の削減に乗り出している。
(2) 米雇用先行き不安拡大(4/7) ***
米労働省によると、3月の失業率は、4.3%に上昇した。雇用者数も、9年4カ月ぶりの大幅な減少となった。製造業を中心に、企業の雇用調整が広がったことを示している。雇用の悪化は、個人所得の減少により、さらに景気を下押しする可能性がある。
(1) KDDIも市内通話3分8.5円(4/3) **
KDDIは、5月から本格参入する市内電話の料金を、3分8.5円にすると正式発表した。日本テレコムが、8.5円を打ち出したため、対抗する。関東圏のみの東京通信ネットワーク(TTNet)は、3分8.4円に再値下げするほか、NTT東西地域会社も追随する方針である。5月のマイライン(電話会社事前登録制)開始を前に、料金値下げ競争が一段と激化する。
(2) 住商・三菱商事系列会社電力小売を拡大(4/7) *
住友商事系の電力会社サミットエナジーは、日本油脂などが出資する発電会社から余剰電力を買い取ることで合意した。三菱商事系のダイヤモンドパワーも、日鉱金属と三菱化学から余剰電力を購入する。サミットエナジーは、10万キロワット、ダイヤモンドパワーは、20万キロワットを調達、電力小売りを拡大する。電力会社は、昨年10月に平均5.4%料金を引き下げたが、官庁の電力入札で新規参入組みに負けているため、料金の再引き下げで対抗する予定である。