8月第4週(8/19−8/25)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) 産業用ロボット4−6月期受注総額51.5%減(8/20) **
4−6月期の産業用ロボットへの国内受注総額は、前年同期比51.5%減の758億円となった。主因は、IT(情報技術)業界の失速である。過半を占める電子部品実装機の需要が、電機メーカーの設備投資抑制で大幅に減少した。ロボット需要を担うもう一つの柱である自動車業界の設備投資も低水準で、ITの回復頼みとなっている。
(2)株の集中売却防止へ特例(8/22) *
金融庁は、2004年9月の中間決算から義務付ける株式保有制限について、特例措置を導入する予定である。第一に、値上がり銘柄は、時価ではなく取得原価による計算を認め、保有残高が膨らみ、売却義務が発生するのを防ぐ。第二に、過大な株式を保有する銀行には、制限を最長1年半猶予する。銀行の株式売却が集中し、株価が急落するのを防止する狙いである。
(3)完全失業率初の5%に(8/23) ***
7月の完全失業率が、前月より0.1%上昇して、過去最悪となり、1953年の調査開始以来初めて5%台に乗った。企業の倒産やリストラにより仕事を失ったり、家計を支えるために仕事探しを始めた人が急増したのが、主因である。日本の完全失業率は、98年に4%台で推移し、景気の回復期にあった昨年前半でも、4%台後半で高止まりしており、今年の5,6月は過去最悪と並ぶ4.9%であった。
(4)信用組合の半数が赤字(8/24) **
全国241の信用組合のうち、半数の120の信用組合が2001年3月期に最終赤字となった。金融庁の検査の結果、これまで正常先に分類していた貸し出し債権の一部を不良債権に変更したため、貸倒れ引当金を364億円積み増したのが主因である。貸出金償却も含めた不良債権処理損失は、2037億円と業務純益の3倍に達した。信用金庫も、370のうち60の信金で最終赤字となった。信金・信組の不良債権残高は、それぞれ合計で、約7兆2千億円、約3兆円と高水準で、今期も厳しい経営を迫られそうである。
業務純益 | 最終利益 | 不良債権処理損失 | |
信用金庫 | 6,384 | 936 | 4,118 |
信用組合 | 679 | −941 | 2,037 |
大手銀行 | 36,020 | 522 | 47,034 |
地方銀行 | 12,483 | −642 | 12,627 |
第二地銀 | 3,536 | −1,165 | 4,600 |
(1) アメリカ財政黒字10億ドルに(8/20) **
アメリカ政府の2001会計年度(2000年10月から2001年9月)の財政黒字が、日本の一般会計に相当する部分で10億ドル程度に留まることが明らかになった。前年度は、約2370億ドルであり、大幅に減少した。民主党は、「財政悪化が急なのは、減税の規模が大きすぎたからだ」と批判している。政権側は、「財政悪化は昨年来の景気減速の結果。来年には景気は上向き、財政黒字も増え始める」と反論している。
(2) 韓国GDP伸び率2.7%に減速(8/22)
韓国の4−6月期の実質GDP成長率は、前年同期比2.7%となり、1−3月期の伸びを下回った。4−6月期は、アジア通貨危機後にプラス成長に転じた99年1−3月期(5.8%)以降最低となった。4−6月期は、設備投資の伸び率が−10.8%と大幅減となり、輸出も1.2%増と1−3月期から急減速した。アメリカの景気減速とIT産業の不振により、下半期も厳しい状況が続く見通しである。
(3) アメリカFF金利0.25%追加利下げ(8/22) **
アメリカ連邦準備理事会(FRB)は、連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、短期の指標金利であるフェデラルファンド(FF)金利を0.25%引き下げ、年3.5%とした。利下げは、今年に入り7回目で、累計下げ幅は3%になる。公定歩合も0.25%引き下げ、3%とした。
(注)FF金利とは、FRBが短期金融市場を操作する際に使う金利で、日本の無担保コール翌日物金利に相当する。
(4) 欧州景気、減速一段と(8/24) ***
欧州最大のドイツ経済の4−6月期の実質GDP成長率は、前期比0%と、2年ぶりの低水準となった。対米輸出の減少に加え、設備投資や個人消費の低迷が深刻である。日米の景気不振に加え、EUを引っ張るドイツに急ブレーキがかかり、世界景気の先行きに低迷感が漂っている。
(1) 電力自由化を促進−経済産業省(8/22) *
経済産業省は、電力の自由化を一段と進める検討に入る。現在の販売電力量全体の3割に留まる小売りの自由化の範囲を広げるほか、電力取引市場の創設や電力会社から送電線部門を分離する案が有力である。2003年度にも一部の実現を目指す。現在は、2000キロワット以上を利用する大口顧客向けに、小売りの参入は限定されているが、参入者のシェアは1%以下である。今後は、中小ビルや商店に広がる可能性もある。