2月第3週(2/11−2/17)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) 437自治体が地方債発行自由に(2/11) *
総務省は、財政状況が健全な437の地方自治体に対し、2001年度の地方債の自由な発行を認めることにした。自由化が導入された2000年度に比べ,対象自治体は48増える。対象となるのは、経常収支比率(経常的支出が経常収入である地方税収などに占める割合)と起債制限比率(税収など使途が自由な財源のうち、どの程度地方債の元利払いに充てているかを示す値)の2つの指標が良好な自治体である。2001年度は、鳥取県、愛媛県、佐賀県、岐阜県の4県と433市町村が対象となる。これまでは、自治省の許可がないと発行できなかった。
(2) 設備投資けん引役交代(2/12) **
東京電力は、新規発電所の建設を3−5年凍結し、来年度の投資を1兆円以下に抑える。電力需要の停滞と電力自由化によりコスト削減が急務となったためである。一方、NTTドコモは、次世代携帯電話サービスの開始に備え、来年度の投資を1兆1千億円前後に増やす方針を固めている。このような設備投資の変化から、産業構造の変化が見えてくる。
(3) ノート型比率パソコン国内出荷の50%(2/12) *
電子情報技術産業協会によると、2000年の国内パソコン出荷台数は、前年比25.4%増の1155万台と過去最高となった。けん引役はノート型パソコンで、前年比33%増で、構成比は初めて50%となり、デスクトップ型と肩を並べた。家庭やオフィスが狭い日本は、世界平均の2倍以上という「ノート王国」である。
(4) 1月の街角景気悪化・指数最低の41.5(2・16) **
内閣府によると、タクシー運転手やスーパーの従業員に尋ねた1月の景気ウォッチャー調査を発表した。3カ月前と比べた判断指数は、41.5となり、昨年1月以来の調査開始以来の最低を更新した。小売業などの価格競争が激しくなっているほか、輸出の鈍化による生産の鈍化も影響している。しかし、2−3カ月先を見通す判断指数は、4カ月ぶりに上昇に転じ、先行きに期待感も出ている。
(5) 景気判断「改善より緩やかに」−政府月例経済報告 ***
麻生経済財政担当相は、2月の月例経済報告を提出した。報告によると、「改善は、そのテンポがより緩やかになっている」との見方を示し、3カ月ぶりに下方修正した。1月までは、「緩やかな改善が続いている」と述べていた。アメリカ経済の減速が顕著となり、輸出の判断を後退させ、企業業績にも慎重な判断を示した。
(6) タオル業界セーフ−ガード申請決議(2/17) **
日本タオル工業組合連合会は、臨時総会で中国からのタオル製品の輸入に歯止めをかける緊急輸入制限措置(セーフ−ガード)の発動を、経済産業省に申請することを決議した。同省は、申請後2カ月以内に調査開始を決定し、半年位以内に発動するかを判断する。しかし、発動しても、逆に消費者の不利となる可能性も指摘されている。
(7) ミスマッチ解消に時間(2/17) ***
企業の求人は増えているが、完全失業率は4.8%(昨年12月)、完全失業率は昨年均で320万人と高止まりしている。主な理由は雇用のミスマッチとされ、4分の3以上がミスマッチであるとされる。求人充足率(新規求人数に対する就職件数の割合)が低いほどミスマッチは大きいとされ、99年に30%前後であった充足率は、昨年12月に25.0%まで低下した。特にIT関連では低く、情報サービス業では、16.4%にとどまる。求人に求める能力を身につけた求職者が少ないためである。
(1) 郵政事業庁郵便小包など値下げ(2/14) **
総務庁・郵政事業庁は、郵便小包と新聞雑誌など「第3種郵便物」の大口顧客(同時期に大量の郵便物を郵送する大企業など)向けの料金を引き下げる。宅配便との競合激化で、小包の取扱量が伸び悩み、事業の再建が急務であり、3月から引き下げる予定である。なお、一般の消費者向けの基本料金は据え置く。
(2) 酒販自由化・小売り対立(2/15) **
自民党が今国会で議員立法を目指す「酒類販売管理法案」(仮称−未成年者への酒類販売防止を目的に、酒販店に税務署に登録した「酒類販売管理者」(仮称)を設置することを義務付ける内容)に対し、推進派の全国小売り酒販組合中央会が同法が不可欠と訴える一方、反対派のコンビに側が規制緩和に逆行する法案であると譲らない。2003年の酒類販売免許の自由化に一般酒販店の危機感は強く、コンビニ側には、未成年者への販売防止を目的にした規制強化と映るためである。まさに、社会的規制の強化か経済規制の緩和かの二者択一である。
(3) 金融の株保有5%ルール総枠制限へ変更浮上(2/16) *
公正取引委員会は、金融機関が保有する株式の比率を各会社の5%以下に制限している「5%ルール」を株式保有量の総枠の制限に切り替える方針である。総枠規制になると、ITに強い企業に銀行が投資し、その技術により高度な金融サービスが可能となる。また、資本金350億円または純資産額が1400億円以上の大企業(約250社)は、資本金または純資産額を超える他社株の保有が禁止されているが、弊害が出た場合に株式放出命令などの事後規制をかければ十分との意見も多い。公正取引委員会は、独占禁止法研究会が秋にまとめる報告を受け、独占禁止法改正案を2002年通常国会に提出する予定である。
(4) 参入妨害にも課徴金(2/17) *
公正取引委員会は、カルテルや談合などの違反に限定していた課徴金を、他の違反にも広げる方針である。特許の使用を認めないで、企業の新規参入を妨げたり、有力企業同士が仕入れ価格を一定以下にとどめることを申し合わせたりする独禁法違反にも課徴金を課す考えである。新規参入と公正な競争を促す考えである。来年、法案を提出し、2003年度の実施を目指す。
(5) LモードNTTに事業計画の変更要請も(2/17) *
情報通信審議会(総務相の諮問機関)の電気通信事業部会の斎藤会長は、NTT東西地域会社の固定電話によるインターネット接続サービスの「Lモード」に関し、「NTT法違反の可能性があり、通信市場の公正競争にも問題がある」とし、事業計画の変更を要請する考えを示唆した。NTT法で地域通信に限定されているNTT東西が、長距離通信で他社回線を利用する仕組みにおいて、NTTグループの長距離通信事業者の2社に利用を限定しているのを問題視している。
(1) アイルランド2001年度予算にEU抑制勧告へ(2/11) **
欧州連合(EU)は、財務省理事会で、アイルランドに対し2001年度予算の抑制を求める勧告を、12日に決議する。物価高のなかで拡大型予算を実施すればインフレを引き起こすと判断した。ユーロ相場にも悪影響を与えかねないだけに,加盟国の予算編成権に介入することにした。アイルランドが勧告に応じるかどうかは、EUの政策統合の試金石になるといえる。EUが、加盟国に予算修正を勧告するのは初めてである。