2001年1月第2週(1/7−1/13) *印が多いほど頻出(最高は3つの*)
(1)11月の全世帯の消費支出1.3%減(1/10) **
総務庁の全世帯の家計調査によると、1世帯当たりの消費支出は29万6439円で、実質で前年同月比1.3%減少した。これは、2カ月連続の減少である。衣料品や食料の購入費が減少し、教養娯楽費が減った。サラリーマン世帯を中心に、低価格志向が広がっており、依然として消費は低調である。
(2)日経平均が昨年来安値(1/11) ***
11日の東京株式市場で、3日続落し、一時1万3124円46銭と昨年来安値を下回った。持ち合い解消による需給関係の悪化を見込み、トヨタ自動車、NTTドコモが昨年来安値を更新した。株式市場では、景気回復の遅れにより、円安が進むとみて、外人から日本株の売りが出やすくなっている。
(3)景気一致指数19カ月ぶり50%割れ(1/11) **
内閣府によると、2000年11月の景気動向指数(速報)は、景気の現状を示す一致指数が42.9%と,99年4月以来19カ月ぶりに50%割れとなった。内閣府は、比較対象の8月の経済指標の値があまりに高く、11月の50%割れは必ずしも実勢を反映していないとし、景気は改善の方向との見方を変えていない。
(景気動向指数については、本ホームページの情報サービスの「日本経済事情概説」を参照) p>
(1) 中国・国有大手に社員持ち株制(1/8) *
中国の国有大型企業が、従業員持ち株制度の導入に動き出した。業績向上の成果を配当により従業員に還元し、品質管理や生産性の向上に向け、勤労意欲を高める狙いで、家電の春欄が第一号として踏み切った。WTO(世界貿易機関)加盟後の競争に,国有企業が打ち勝つための企業統治のありかたを模索したものである。
(2)アメリカ1−3月期マイナス成長に(1/11) **
アメリカの今年の1−3月期の実質GDP成長率は、米大手証券会社によると、マイナス成長になるという予測が出た。モルガンは1.2%減、ゴールドマンは0.3%減としている。いずれも、小売り売上高の低迷や自動車販売の落ち込みなどを理由にあげている。
(3)欧州金融緩和を視野に−米景気減速を警戒(1/12) **
アメリカ景気の急減速が世界経済に波及する事態に備え、欧州の金融政策当局が緩和への政策転換を視野に入れ始めた。欧州中央銀行は、ユーロ圏の生産活動が減速しているとの認識を表明し、政策運営の重点を、従来のインフレ警戒型から景気鈍化懸念をも見据えた「両にらみ」型に修正した。イギリスの中央銀行のイングランド銀行は、春先にも2年ぶりの利下げを行う公算が大きい。
(1) 顧客管理システムNTTに開放を促す(1/9) *
総務省は、NTTに通信料金の課金や回線を点検できる顧客管理システムを他の事業者に開放するように要請する方針である。これは、通信サービスの円滑な提供には欠かせない。また、総務省は、NTT東西に一般利用者より2割程度安い事業者向け卸料金導入を求め、新規参入を促進する考えである。両者のシステムを利用できないと、参入者は大規模な設備投資が必要になり、市場参入が難しい。
アメリカでは、96年に新通信法が制定され、旧AT&T系の地域通信会社が事業範囲を拡大するには、事業者向け卸料金制度と顧客管理システムの開放が義務づけられた。その結果、約500社の地域通信事業者が存在し、インターネットを中心とした安価な通信料金の実現となっている。
(2) 電力小売りニチメンも参入(1/9) *
ニチメンは、電力小売り事業に参入する。企業家から余剰電力を買取り、商業施設に供給を始める方針で、また新規の発電所建設を検討する。5年後に、30万から50万キロワットの供給を目指す。国内では、去年3月に大口電力の小売りが自由化され、アメリカのエネルギー大手のエンロンが大型発電所の建設を打ち出している。
(3)「マイライン」今日から受け付け(1/10) **
利用する電話会社を登録するマイラインの受け付けが、10日から始まる。マイラインでは、新電電に必要な識別番号が不要となる。識別番号の存在が、NTTとの競争上不公平という批判がマイライン実施につながった。5月1日からサービスが始まるが、NTTやKDDIなど新電電各社は,市内通話3分8円台の料金競争やマイライン登録と連動した割り引きサービスを導入するなど、登録者を獲得しようと懸命である。料金競争は、市外電話にも広がる見通しである。
(4)電柱や共同溝を通信事業者に開放(1/12) *
政府は、NTTや電力会社、鉄道会社に,電柱や共同溝を通信事業者に開放するように求めるための指針(ガイドライン)案をまとめた。NTTや電力会社自身が、電柱や共同溝の空きスペースを5年以内に利用する計画がない場合には、通信事業者に開放を義務付ける。指針案は、情報通信審議会に諮り決定する。指針に従わないと、政府が開放を強制できるように、電気通信事業法改正案を国会に提出する。
(1) 環境対策・業績評価に反映―キャノン、シャープなど新制度(1/13) *
廃棄物削減や環境配慮型製品の開発といった環境対策への取り組みを、事業部門の業績評価に反映させる動きが産業界で広まっている。シャープ、ソニーが採用したのに続き、キャノンも導入する。自治体に環境配慮型製品の購入を義務付けるグリーン購入法が施行されるほか、環境保護意識の高まりから今後は環境対策を基準に購入する消費者が増える見通しであることによる。環境対策を収益源に変える発想の転換を促すには、社内の競争を促進せる制度作りが効果的とみて、行政評価に取り組む。