7月第1週(7/1−7/7)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 広がる企業の成果主義(7/1) **

 成果主義とは、社員の貢献度に応じて、昇進・昇格、賃金などの処遇を決める制度である。上場企業300社の32%が,昨年年棒制を導入している。2年前の倍の水準に達している。なぜ成果主義を導入するかというと、最大の動機は人件費の抑制である。団塊の世代が高給の50代になり、年功賃金ではもたないという事情がある。また、日本の労働分配率は、74%(98年)と先進国中最高で、人件費を抑える必要がある。  そして、優秀な人材の流出を防ぐ目的もある。優秀な人に高額の報酬を出す外資や新規参入企業に人材が引き抜かれやすく、そのためにも成果主義の導入は避けらない。


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(2) 景気減速、停滞感強まる(7/2) ***

 アメリカ経済の調整をきっかけに日本経済は減速し、景気の停滞感が強まっている。調整は、IT関連製品が中心で全面的なものではないが、アメリカの回復が遅れれば、調整が広がる可能性もある。不良債権処理などの構造改革は、欠かせないものであるが、デフレ色を強める可能性もあり、日本経済はジレンマを抱えている。


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(3) 設備投資の動向(7/2) **

 設備投資の先行指標となる工作機械受注は、5月の内需は前年同月比11%減となった。17カ月ぶりに前年割れに転じた4月の6%減から、下げ幅がさらに拡大した。


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(4) 信用乗数の低下鮮明(7/6) **

 日銀が供給した資金が、金融機関の貸し出しを通じどれだけの貨幣供給(マネーサプライ)となっているかを示す信用乗数の低下が、顕著となっている。92年の13倍から、今年5月は9.69倍に低下している。日銀の資金供給が潤沢に行われている中で、マネーサプライの伸びが低いのが原因である。それは、バブル経済の崩壊と金融機関の体力の低下により、金融機関の貸し出し姿勢の消極化が主因と考えられる。加えて、企業側の負債圧縮の動きもあり、金融5業態の2000年度の貸出残高は4年連続で前年水準を下回った。


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[行政改革]

(1) 石油公団廃止首相が明言(7/7) **

 小泉首相が、石油公団の廃止を明言したことで、日本の石油開発の見直しを迫られる。非効率な公団依存を排し、採算確保を前提とした民間主導色を強める傾向になると見られる。石油公団は、石油税収を原資に累計2兆844億円を投融資し、293社の石油開発会社を設立したが、173社は既に清算か事業終結の手続きのなかで、事業が軌道に乗ったのは13社にすぎない。公団の200年3月期の最終赤字は3518億円であった。堀内総務会長(自民)は、石油公団の出資・融資のうち回収できない可能性のある額は1兆円以上としている。


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[世界経済]

(1) 中国共産党、私営企業家の入党解禁(7/2) *

 中国共産党の80周年祝賀大会で、江沢民総書記は私営企業家の入党を解禁する方針を宣言した。市場経済化の進行で党の指導力低下を懸念し、幅広い層の利益を代表することにより、一党支配を堅持する狙いがある。

 (注)中国の私営企業:資産が私人の所有で、従業員8人以上雇用している営利企業のことをいう。70年代末までは、その存在が許されていなかったが、87年に政府より公認された。企業数は昨年末で、176万社で、従業員は2460万人である。国有企業のリストラによる失業者の受け皿となっている。また、GDPの1/4を生産する存在でもある。


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(2) アメリカ雇用厳しさ増す(7/3) ***

 アメリカの雇用情勢が、厳しさを増している。企業の求人を示す求人広告指数が、60(5月)と9年半ぶりの水準に下がり、求人・失業者比率も5月は94年4月以来の水準に低下し、求職の難しさを示している。また、失業しても再就職をあきらめている人も増え、景気の下支え役である個人消費への悪影響が心配される。


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(3) WTO中国加盟11月承認(7/4) **

 世界貿易機関(WTO)加盟国は、11月の閣僚会議で中国の加盟を承認することで合意した。申請から15年経ち,年内にも加盟が実現する。独自の社会主義市場経済の中国が、多角的通商ルールの枠組みに参加し、国際社会との関連を高めていく歴史的転換点を迎える。世界で7番目のGDP規模という巨大市場の中国に、自由貿易のルールに沿う国内体制作りが迫られる。輸入数量制限の廃止、外国企業への自由な貿易活動許可の付与などが、具体的に求められる。


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