7月第2週(7/8−7/14)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 月例経済報告「景気は,悪化している」(7/11) ***

 7月の政府の月例経済報告によると、「景気は悪化している」との見方を示し、基調判断を6か月ぶりに据え置いた。企業収益は、「頭打ちとなっている」と判断を後退させたが、設備投資や個人消費は表現を変えなかった。雇用は、完全失業率が4.9%と最高水準にあり厳しいが、新規求人数や有効求人倍率が前月比2カ月連続増加しているため、「一部で底固さが見られる」としている。内閣府は、「景気は下向きであることに変わりはないが,角度は深まっていない」としている。 


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(2) 上期倒産総額7兆2400億円−戦後2番目(7/14) **

 東京商工リサーチによると、今年1−6月期の企業倒産による負債総額は、上半期としては戦後2番目に多い7兆400億円となり、前年同期比5.5%増となった。生保などの大型倒産が,高水準であったのが主因である。景気低迷による「不況型倒産」の件数が全体に占める割合は、初めて7割を超えた。


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[世界経済]

(1) サミット財務相会議、世界不況阻止へ協調(7/8) **

 ローマのサミット前の財務相会合は、世界同時不況を防ぐため経済安定に協調して取り組むことを確認し、閉幕した。日米欧で進む株価の下落も、不安解消に努める方針で一致した。日本は、経済構造改革を進めるとともに、ゼロ成長は回避する方針を表明した。また、アメリカは、迅速な金融緩和、減税により、年末にかけ景気回復を図る。ユーロ圏は、経済成長の鈍化とインフレが並存しているため、構造改革を通じた成長力向上の努力を継続することとした。


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(2) 東アジア経済に停滞感(7/11) ***

 中国を除く東アジア経済の不透明感が強まってきた。トップを切って4−6月期の成長率を発表したシンガポールが、10%を超えるマイナス成長となった。また、他の輸出主導で成長するアジア経済も、早期の景気回復が不透明となってきた。下期のアメリカ経済の動向次第では、減速に留まらず景気後退入りする懸念も出てきた。

アジア主要国・地域の成長率(前年比、%)
2000年 2001年(予測)
韓 国 8.8 3.5
中 国 8.0 7.6
台 湾 6.0 2.4
タ イ 4.4 2.3
マレーシア 8.5 2.6
シンガポール 9.9 2.1


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(3) ユーロ圏成長率、減速感強まる(7/11) **

 欧州連合の通貨統合12カ国のヨーロ圏財務省会合の結果、議長のベルギー財務相によると、2001年のユーロ圏の成長率は2.0−2.5%になるとし、2.5%前後としていた見通しを下方修正した。日米に比べ堅調とされていた欧州景気にも、悲観論が強まってきた。同会合では、景気は予想以上に落ち込んでおり,インフレ懸念も依然として強いとの認識で一致した。    


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(4) アメリカ財政黒字1600億ドル(7/12) **

 アメリカ行政管理予算局によると、2001会計年度(2000年10月―2001年9月)の財政黒字が、1600億ドル程度に落ち込むことが明らかになった。これは、当初見積もりを4割強下回る額である。財政黒字が落ち込むのは、景気減速のほかに、10年で1兆3500億ドルの減税の一部が,今年度中に実施されるためである。


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[規制緩和]

(1) 郵便2003年全面開放(7/8) ***

 小泉首相が、郵便事業への民間参入を全面的に認めるように、政府に取りまとめを指示していることが明らかになった。2003年の郵政公社発足により、郵便事業の一部を民間に開放することが決まっているが、首相は全面開放を基本に検討することにした。総務相は、年末までに検討を終え、来年の通常国会に提出する公社化法案に盛り込む。首相は、「郵便事業を聖域とする理由はなく、競争によりサービスは向上する。一部参入では不十分であり、2003年に全面的に民間を参入させるべきである」としている。


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(2)医療費審査民間に開放―特殊法人独占見直し(7/13) **

 政府の総合規制改革会議は、規制緩和の基本方針案をまとめた。基本方針案は、同会議が重点的に取り組んでいる医療、福祉・教育,労働、教育、環境、都市再生の6分野の改革の方向性を、実施時期を含め明示した。主な内容は、次のとおりである。

・病院などが発行する医療費請求書の審査について、社会保険診療報酬支払基金(特殊法人)以外への委託(今秋)

・病院などの広告の原則自由化(2001年度)

・株式会社などによる病院経営の解禁(2001年度中に検討し結論)

・職業紹介制度の抜本的緩和(年内)

・マンション建て替え要件の緩和―所有者の4/5以上の賛成で建て替え可


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[環境問題]

(1) 温暖化ガス99年度3年ぶり増加に転じる(7/10) ***

  政府は、京都議定書で定めた温暖化ガス削減目標達成に、全力で取り組むことを申し合わせた。この会議で、環境省は、国内の温暖化ガス排出量が、99年度に3年ぶりに増加し、前年度比2.1%増になったと報告した。排出が増え続けると、目標達成は困難となるため、政府は国内の省エネの推進を一段と迫られる。 

(注)温暖化ガス:京都議定書で削減が求められる温暖化ガスは、二酸化炭素やフロン,メタンなど6種類である。これらが大気中の濃度が高まると、熱を溜め込む性質を持つ。このまま増え続けると、2100年ころには平均気温が1.4〜5.8度上昇するとの試算がある。


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