７月第３週（７／１５−７／２１）＊印が多いほど頻出（最高３つの＊）

（１） 景気判断２カ月連続後退−７月日銀月報（７／１７）　＊＊＊

　日銀の金融経済月報によると、景気の現状判断を６月の「調整が深まりつつある」から「調整が深まっている」に、やや下方修正した。輸出の落ち込みから企業収益の悪化や設備投資の減少が明らかになってきたため、２カ月連続の下方修正となった。

（２） 日経平均１万２０００円割れ（７／１９）　＊＊

　IT関連の収益悪化によるアメリカ発の世界的株安に歯止めがかからず、１８日の日経平均株価がバブル崩壊後の最安値に迫った。日本では、構造改革の優先順位は明確ではなく、内外の投資家の間で思惑が異なることも、買い手控えにつながっている。　

（１） アメリカ設備稼働率８３年以来の低水準（７／１８）　＊＊

　アメリカ連邦準備理事会（FRB）によると、６月の鉱工業生産指数は、前月比０．７％減、前年同月比でも３．６％減となった。製造業が落ち込み、９カ月連続の減少となった。設備稼働率も、７７．０％と８３年８月以来の低水準である。景気の停滞により、企業の生産活動の落ち込みがなお続いている事が明らかになった。

（２） アメリカ景気減速一段と−主要企業減速相次ぐ（７／１９）　＊＊＊

　アメリカ主要企業の業績悪化が、一段と鮮明になっている。４−６月期決算発表では、ＥＭＣ，ＪＰモルガン・チェースなど、大幅減益や赤字に陥る不振組みが目立つ。アメリカン・エクスプレスが、最大５０００人の追加の人員削減を発表するなど，リストラの加速も表面化した。市場では、企業業績の短期の回復は難しいとの見方が広がっている。FRBは、２００１年の経済成長率見通しを下方修正する経済報告を発表した。

（３） ジェノバ・サミット今日開幕（７／２０）　＊＊＊

　ジェノバ・サミット（主要国首脳会議）が、２０日に３日間の予定で開幕する。ＩＴ関連の需要減少による世界経済減速への対応が、主要議題になる。日米欧の７カ国（ロシアを除く）は、同日経済声明を採択する。世界同時経済不況や株価下落を阻止するため、各国が構造改革やマクロ経済政策、利下げなど適切な政策をとり、緊密に協調することを確認する。

（１） 公益法人改革、補助金廃止を検討（７／１５）　＊＊

　慈善、学術など非営利に限定している財団法人や社団法人である公益法人改革の基本方針案が，明らかになった。補助金の半分以上を外部に再補助している「第三者分配型法人」や、収入の３分の２以上を補助金に依存している「補助金依存型法人」への補助金交付の必要性を抜本的に見直し、不必要な場合に廃止する方針を打ち出した。一部の公益法人の検査・検定制度と資格制度の廃止検討と，公益法人の役員報酬への国の助成の廃止も盛り込んだ。

（２） 自家発電で域外進出（７／２１）　＊

　電力会社が、自家発電装置を使って、他社の管内で電力を供給する動きが活発化してきた。東電系で自家発電装置の設置・運営を受託するマイエナジーは、中部地方の中堅スーパーのバローと電力供給契約を結んだ。一店当たり７００〜１１００キロワットの電力を供給する。バロー側は、従来の中部電力から購入するのに比べ、電力コストを１５％削減できるという。マイエナジーは、関西や北陸地方でも顧客開拓を強化する予定である。また、九州電力系の西日本環境エネルギーは、北関東の中堅スーパーのキンカ堂との契約に成功した。

（３） 大口電気料金５．３９％低下（７／２１）　＊＊

　経済産業省の大口顧客向けの電気料金調査によると、２０００年度下期の単価は、上期に比べ、１キロワット時当たり５．３９％下がった（沖縄を除く全国平均で、１キロワット時上期の１１．６９円から下期の１１．０６円へ低下）。昨年３月からの大口顧客向けの電力小売りの自由化により、電力会社と新規参入者の競争が本格化してきたためである。経済産業省は、「料金低下は競争の成果だが、まだ十分ではなく、今後も国際水準に近づけるため、環境を整備していく」としている。