7月第5週〜8月第1週(7/29−8/4)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) 求人意欲が急低下―広告件数2年ぶりマイナス(7/29) **
企業の求人意欲が急激に低下してきた。全国求人情報誌協会によると、6月の求人広告件数は25万2865件と、前年同月比0.6%減少し、約2年ぶりにマイナスに転じた。求人広告件数は、公共職業安定所の新規求人件数とほぼ一致して増減するため、雇用の先行指標といえる。景気後退の影響が、雇用面にも及ぶ兆しが出てきた。内訳は、正社員系は前年同月比2.4%減と、20カ月ぶりに減少した。アルバイト系は、同1.0%増とわずかにプラスとなったが、11カ月ぶりの1ケタ台に縮んだ。景気の低迷が長引き、臨時雇用を含めた本格的な雇用調整を行うところが増えてきた可能性がある。
(2)6月の鉱工業生産前月比0.7%低下(7/30)
経済産業省によると、6月の鉱工業生産指数は、97.8で前月より0.7%低下し、4カ月連続で低下した。IT関連の生産が、輸出、国内向けとも減少したのが、主な要因である。4カ月連続で生産が低下したのは、大型金融機関が破綻した97年12月以来である。また、4−6月期の生産指数は、前期比4.0%低下し、98年4−6月期以来3年ぶりの大幅な下落である。
(3) 縮む住宅需要−二極化鮮明に(8/1) **
国土交通省によると、2001年上半期(1−6月期)の新設住宅着工戸数は、前年同期比6.1%減の56万591戸と、83年以来18年ぶりの低水準である。日経の調査では、市場が縮小するなかで、低価格のマンション・戸建てと高額物件の双方に人 気が高い二極化傾向が強まっている。
(4) 不良債権43兆円最大に−金融機関3月末(8/3) ***
金融庁によると、民間金融機関が抱える3月末の不良債権額(リスク管理債権)は、前年より2兆円増えて三兆壱千億円と、93年の公表以来最大となった。増加が目立つのは、金利減免や元利払の猶予をした「貸出条件緩和債権」で、2.4%増えた。一方、「3カ月以上延滞債権」は0.4%減少した。
(1) 世界貿易機関(WTO)の新ラウンドって何?
ラウンドとは、多角的貿易交渉を意味する。鉱工業品や農産物など、できるだけ多くの分野の関税引き下げや貿易ルールなどをまとめて協議する。ロシアを除くサミット7カ国は、今年11月のドーハで開くWTO閣僚会議を新ラウンドの開幕とする予定である。補助金削減などを目指す農業分野、金融や電気通信の市場開放などが目的のサービス分野の交渉は、既に始まっており、新ラウンドで交渉されるのは確実である。他に、鉱工業品の貿易自由化や非関税障壁の撤廃などもテーマとなる予定である。紛糾しそうなのが、反ダンピング(不当廉売)ルールの見直しを、議題にすることの是非である。日本などは、アメリカの反ダンピング措置の乱用に歯止めをかけようとしているが、アメリカは反発している。これも、新ラウンド開始が遅れている要因である。本来は、99年末のアメリカのシアトルのWTO閣僚会議で始まる予定であったが、多くの途上国が先進国への輸出が伸びないことによる不満により、反発したり、先進国に有利な自由貿易拡大に反対する非政府組織が集まったため、混乱し延期された。
(2) アメリカ製造業雇用悪化続く(8/4) ***
アメリカ労働省によると、7月の製造業の雇用者数が前月比4万9千人減少し、12カ月連続の減少となった。7月の失業率は、前月と同じ4.5%であったが、非農業部門全体の雇用者数は、前月比4万2千人減り、雇用調整が続いている事が分かる。製造業で過去1年で雇用を失った人は、83万7千人となった。このうち、約4割は、電子機器と工作機械での雇用の減少であり、ネットバブルの崩壊とハイテク不況が背景にあるといえる。
(1) 政府系金融機関−民業補完徹底へ縮小(7/31) **
政府の行革推進事務局の特殊法人の事業別見直し原案によると、日本政策投資銀行などの政府系金融機関については、政策的に必要性が高く、民間にはリスクが高く難しい融資に特化し、貸し付け債権の証券化により、融資残高を圧縮する方針を示した。日本道路公団や都市基盤整備公団などの建設事業も、事業の凍結や採算計画の抜本見直しを求める方針である。原案は、157の特殊法人・認可法人すべてを対象とし、所管官庁からの意見・反論を盛り込み、8月10日頃に事業見直し案を公表する予定である。そして、各特殊法人の廃止、統合、民営化などを決める「特殊法人等整備合理化計画」を年内に策定する。
(2) 来年度の特殊法人向け財政支出1兆円削減(8/1) ***
小泉首相は、石原行革担当相に、特殊法人への財政支出を来年度1兆円削減することを目標とするように指示した。また、すべての特殊法人を廃止か民営化を前提に見直すように求めた。石原行革相は、各特殊法人の廃止、民営化などを明記した「組織見直し案」を、9月に公表する方針を示した。
(3)特殊法人を省庁が温存図る(8/2) *
特殊法人の事業別見直しをめぐり、各省庁は小泉内閣の行革推進事務局に意見書を提出した。事務局案が各特殊法人の大幅な縮小を求めたのに対し、意見書の大半が、公益性などを盾に事業の温存を求めている。首相が、特殊法人への約1兆円の予算削減を指示したが、多くの省庁が事実上のゼロ回答である。10日から、双方の攻防が本格化する。