6月第5週(6/24−6/30)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) 個人消費もたつく(6/26) **
個人消費が、もたついている。5月の消費関連業界の販売高は、いずれも前年同月を 下回っている。スーパーは、売上高で前年同月比4.9%減で、30カ月連続のマイナスの伸び率である。外食も、長期低迷を抜け出せない。既存店売上高は、4.3%減と42カ月連続のマイナスの伸びである。家電量販店も、前年同月比4.4%減で2カ月連続の前年割れである。生活密着分野を中心に、単価が下落し、販売数量を確保しても売上増には至らない。海外ブランドなど、一部の高額嗜好品は好調だが、消費全体をけん引するほどではない。
(2) 私的整理(債権放棄)3年内の黒字化求める(6/27) *
全国銀行協会,経団連などが公表する企業の私的整理すなわち債権放棄の指針が、明らかになった。債権放棄の対象を、再建可能な企業に限定するため、再建計画に3年以内の経常黒字化などの数値基準を設ける。対象企業の経営者は、原則退任とし、株主は減資などにより責任を明確にする。また、再建計画を弁護士、会計士など第三者が、評価する仕組みを導入する。債権放棄は、ハザマ、熊谷組などの大手ゼネコンや総合商社など大企業の処理策として、多用されている。
私的整理:経営不振に陥った企業を、裁判所などの司法の関与なしに処理することである。過剰債務の圧縮に向け、銀行が債権放棄をすることが前提となる。
(3) 個人金融資産初の減少・失業率4.9%(6/29) **
増え続けてきた個人の金融資産が、株価下落などの影響で2000年度に初めて減少した。5月の全国消費者物価指数は、前年同月比0.7%減と、過去最大の下落幅を記録した。一方,完全失業率は、4.9%に上昇し、過去最悪に並んだ。デフレと景気後退が、同時進行していることが明白になってきた。
(4) 99年度医療費初の30兆円台(6/30) **
99年度に国民が使った医療費(国民医療費)が、前年度比3.7%増の30兆9337億円となり、初めて30兆円を突破した。国民一人当たりでは、24万4200円であった。国民医療費の国民所得に対する比率も、8.08%と初めて8%台に乗った。年齢別に見ると、70歳以上が全体の39%を使い、65歳以上で全体の50%に達する。
(注)国民医療費の財源 医療保険の保険料 52.5% 税金(国・地方) 32.9% 自己負担 14.6%
(1) 米景気下期回復不透明に(6/24) **
アメリカ経済の今年下期の回復が、不透明になってきた。家計の支出は底固さを維持しているが、企業部門の回復のメドは立っていない。5月の小売り売上高は、前月比0.1%増と2カ月連続で増加したが、同月の鉱工業生産は8カ月連続で減少し、設備稼働率も77.4%と17年9カ月ぶりの低水準に低下し、企業の生産活動は低迷が続いている。
(2) 米0.25%追加利下げ(6/28) ***
米連邦準備理事会(FRB)は、短期の指標金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を、0.25%引き下げ、年3.75%とし、即日実施した。また、公定歩合も0.25%引き下げ、年3.25%とした。FF金利が4%を下回ったのは、94年5月以来7年ぶりである。この決定は、景気減速に歯止めをかけ、今後の不透明感を払拭するのが狙いである。
(3) 世界経済けん引役欠く(6/29) ***
日米欧の景気が同時減速傾向を強めている。アメリカは、6度目の金利引下げを決めたが、今年下期の景気は不透明である。日本は、経済構造改革が迫られ、当面景気後退から脱するのは難しい状況である。景気減速の中で、物価上昇に直面する欧州の政策は、手詰まり気味である。世界の生産工場となりつつある中国に、内需の強さは乏しい。けん引役を欠く中で、7月のジェノバ・サミットは、需要創出に向けた政策協調が最重要課題となる。
2001年度第一・四半期の実質GDP成長率 日本 −0.8% アメリカ 1.3% 欧州 ユーロ圏 2.5% 中国 8.1% 韓国 3.7%
(1) マイクロソフト分割破棄(6/29) *
マイクロソフトの反トラスト法(独占禁止法)違反の控訴審を審理していたワシントン連邦高裁は、一審判決の会社二分割を含む是正命令を破棄し、連邦地裁に差し戻して再検討を求める決定を下した。連邦地裁は、同社の「ウィンドウズ」の独占的地位を利用して、インターネット閲覧ソフトなどでも不当な手段で独占を目指したとして、独禁法違反を昨年判決していた。マイクロソフトには,有利な控訴審判決となった。