3月第3週(3/11−3/17)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) 10−12月期年率3.2%成長(3/12)**
内閣府によると、昨年10−12月期の実質GDP成長率は、前期比0.8%増、年率で3.2%増加し、2四半期ぶりのプラス成長となった。設備投資が、実質で前期比6.8%増と大幅な伸びとなったのが主因である。設備投資の伸びには、大規模小売店舗立地法をにらんだ駆け込み出店という特殊要因がある。さらに、米景気減速による輸出減という先行き懸念が強まっている。
(2) 日米株安連鎖−日経平均1万2000円割れ(3/13)***
13日の東京株式市場は、全面安となり、日経平均株価は、85年2月以来16年1カ月ぶりの1万2000円割れとなった。前日の米国市場で、ナスダック総合指数が、2000の大台を割り込むなど、株価急落が波及している。日米ハイテク企業の業績鈍化が強まるなか、株安が一段と投資家心理を冷え込ませる展開となっている。
(3) 上場企業連結経常益24.5%増(3/13) **
上場企業の2001年3月期の業績予想を、日本経済新聞社が集計したところ、連結経常利益は前期比24.5%増になる。IT関連がけん引し、2000年度を通じ、企業収益は高い伸びを示している。しかし、米景気減速やアジア向け輸出の低迷により、年明け以降、IT関連企業の伸び鈍化が鮮明になっている。
(4) 企業・銀行株安の重圧(3/14) ***
日経平均株価が、16年ぶりに1万2000円を割ったことで、企業や銀行の経営環境は厳しさを増しそうである。企業は、株式市場からの増資の資金調達がしにくくなり、保有株式の評価損や含み損が拡大する。銀行などの金融機関も、経営力低下や業績悪化につながり、最大の課題である不良債権処理を遅らせる要因となる。
(5) マイラインNTT序盤優位シェア7割(3/15) *
使用する電話会社を利用者が事前に選択するマイライン(電話会社事前登録制)の2月末時点の登録状況が発表された。NTT東西、長距離・国際通信のNTTコムの3社は、市内・県内市外・県外・国際の4つの通話区分の合計登録数で、69%を占めた。新電電との競争は激化しているが、マイライン競争は、NTT優位でスタートした。
(6) UFJ不良債権1兆1000億円処理(3/15) ***
四月にUFJグループとして統合する三和銀行、東海銀行、東洋信託銀行の3行は、3月期決算で合計2230億円の赤字を計上する方針を固めた。不良債権の処理額が、当初予想の5800億円から1兆1280億円に膨らんだためである。不良債権処理に取り組む姿勢を示すとともに、来年度以降の最終処理に備えるのが狙いである。これとともに、店舗や従業員の削減に取り組む。
(7) 政府―緩やかなデフレ認定(3/16) ***
麻生経済財政担当相は、「現在の日本経済は、緩やかなデフレにある」との見解を示した。提出した3月の月例経済報告では、景気の現状について、「改善に足踏みが見られる」と、2カ月連続で基調判断を下方修正した。米経済の減速により、輸出や生産の見方を後退させ、設備投資の先行きに懸念を示した。
(1) IT息切れ下げ加速(3/11) ***
ハイテク株を含む米店頭株式市場(ナスダック)総合指数の下落が、続いている。昨年3月に過去最高値をつけてから、今月9日までの1年で59.3%下落し、ハイテク株バブルは、崩壊した。米ハイテク株相場は、局地的な調整との見方があったが、主力企業を含む全面的な調整に入った。
(2) NYダウ一時一万ドル割れ(3/15) **
ニューヨーク株式市場で、ダウ工業株三十種平均が、一万ドルを割り、アメリカ経済のもろさが浮き彫りになってきた。米連邦準備理事会(FRB)が、0.5%の利下げに踏み切り景気下支えをするのは確実である。
(1) ドコモに回線接続義務(3/16)
総務省が検討している通信関連法の改正案が明らかになった。携帯のシェア6割のNTTドコモを規制対象とし、認可する料金で他の通信業者との回線接続を義務づける。また、NTT東西に、インターネットを含む長距離・国際通信に進出することを認める。通信各社の競争促進により、料金引き下げを促進するのが狙いである。総務省は月内閣議決定を目指すが、NTTグループの反発は根強い。