3月第5週(3/25−3/31)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) 銀行の株保有に総量規制(3/31) **
金融庁は、株式保有額を各銀行の自己資本の60%から100%程度に抑える方針である。株価の下落により、個別の銀行経営だけだなく、金融システム全体の悪循環を断ち切るのが狙いである。銀行の1企業に対する出資を5%以内に抑える「5%ルール」は緩和する一方、総量規制方式をとる。今秋の次期国会に、銀行法改正案を提出する。
(1) 日米同時金融緩和(3/21) ***
世界的な景気減速と連鎖的な株価下落の阻止を目指し、日米の中央銀行が相次ぎ追加的な金融緩和に踏み切った。日銀は、日銀当座預金残高を5兆5千億円と、一気に資金供給を増やした。この結果、無担保コール翌日物は、実質ゼロ金利となり、長期金利も急低下し、1.020%なった。米連邦準備理事会(FRB)も、20日0.5%の追加利下げを実施した。日経平均株価は上昇したが、米株式市場は、利下げが小幅の失望感から急落した。
(2) 欧米景気息切れ鮮明(3/30) ***
欧米の景気息切れが、鮮明になってきた。ハイテク株バブルの崩壊と内需の急減速で、アメリカの実質GDP成長率が、今年前半は1%程度にとどまる見通しが増えている。好調であった欧州経済も、米景気減速の影響を受け、ドイツを中心に減速傾向が強くなっている。日米欧の同時景気停滞の懸念は、世界経済の大きなリスクになる。
(1) 光ファイバーネット接続NTTが値下げ(3/25) *
NTT東西地域会社は、光ファイバーを利用したインターネット接続向け高速通信サービスを、7月までに毎秒10メガビットのサービスに、利用料金が月額5千―6千円と、従来の半額以下にし、より高速の100メガビットサービスを、月9千円前後で提供する方針を固めた。同様のサービスを行っている有線ブロードネットワークスの低価格攻勢に対抗する。政府は、2005年までに、超高速ネットを1千万世帯に普及する方針を打ち出し、NTTに低価格化を求めていた。
(2) NTTドコモ接続料届け出制(3/27) **
総務省が、NTT法と電気通信事業法などの改正案について、自民党と最終調整に入った。改正案では、市場シェアの高い事業者は、大きな影響力を持つものとして規制される。移動体通信分野では、欧州並にシェア25%以上を規制対象とする予定である。ドコモだけでなく、KDDIも対象となる可能性がある。NTTドコモなど市場シェアの高い通信事業者に回線の開放を義務付ける一方、同社の接続料金は認可制ではなく、届け出制にするなどの規制緩和策も盛り込む方針である。
(3) NTT東西や日本テレコム市内3分8.5円へ(3/27) **
日本テレコムは、市内料金を当初予定の3分8.8円から8.5円へと下げることを27日に発表する。NTT東西やKDDIも、26日8.5円と追随値下げする方針を固めた。TTNetも、それ以下へ料金を値下げする検討に入った。しかし、新電電が市内電話のNTTに払う接続料金は、1通話あたり9.2円であり、さらに赤字幅が広がることになる。今後、ドル箱である長距離通話をどれだけ値下げできるかが、シェア拡大のカギを握る見込みである。
(1) 2005年にも排ガス規制実質強化(3/26) *
環境省は、2005年にも、新車の排ガスをチェックする試験方法を見直す方針を固めた。渋滞する都市部の交通事情に合わせ、走行試験の速度を遅くするなどの変更を実施する。現在の日本の試験方法は、高速走行に重点を置いているため、欧米に比べ、有害物質が出にくいといわれており、変更は実質的な規制強化となる見通しである。
(2) 温暖化防止京都議定書、米事実上の離脱表明(3/29)***
米政府は、28日、地球温暖化防止条約京都議定書から事実上離脱する方針を明らかにした。エネルギー業界の声を重視するブッシュ政権は、米経済にマイナスになると判断した。世界最大の温暖化ガス排出国であるアメリカが、同議定書を拒否すると、温暖化防止への取り組みは、抜本的な見直しを迫られそうである。
アメリカ | 36.1% |
欧州諸国 | 32.2% |
ロシア | 17.4% |
日本 | 8.5% |
カナダ | 3.3% |
オーストラリア | 2.1% |
その他 | 0.4% |