9月第2週(9/2〜9/8)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 株安が銀行・年金に痛撃(9/4) **

 株価の大幅下落が、銀行や企業年金を直撃している。銀行は、9月中間決算で巨額の株式評価損の計上が必要である。今期から導入されたルールで、価格が3割以上下がった株式の評価損を損益計算書に計上する必要が出てくるためである。年金資産も、運用の低迷により目減りし、企業収益を圧迫する恐れがある。


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(2) 雇用過剰感強まる(9/5) ***

 景気の後退を背景に、企業の雇用過剰感が強まってきた。厚生労働省の8月の労働経済動向調査によると、労働省の過不足判断DI(不足と答えた企業の割合から過剰と答えた企業の割合の差)は、マイナス9と5月の調査より4ポイント悪化した。製造業や建設業の過剰が響き、サービス業の不足感も薄れた。正社員などを示す常用労働者がマイナス10と、前回より4ポイント減少し、パート労働者はプラス4であったが、前回の9より低下した。職種別では、専門・技術、販売、サービスなどは不足感が強いが、管理、事務、技能工などの過剰感が強まっている。


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(3) 景気動向一致指数7カ月連続50%割れ(9/7) **

 内閣府によると、7月の景気動向指数は、景気の現状を示す一致指数が、12.5%となり、景気判断の分かれ目の50%を7カ月連続で下回った。内閣府は、景気は後退局面にある可能性が高いとし、警戒感を強めている。


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[世界経済]

(1) ブラジル2.5%成長に減速予想(9/2) *

 ブラジルのマラン財務相によると、今年の同国の実質GDP成長率は、当初予測の4.5%から2.5%に減速する見通しを明らかにした。アメリカ経済が今年は1.5%程度に落ち込む見通しの上、トルコやアルゼンチンなどの新興国の信用力が回復していなく、世界経済の回復時期が見えないという外的要因と、干ばつによる電力危機という国内要因が、経済成長を阻害していると分析した。昨年まで2年連続で約300億ドルに達していた対内直接投資も、今年は200億ドルに落ち込むという。


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(2) アメリカの失業率、8月4.9%に上昇(9/8) ***

 アメリカの8月の失業率が4.9%と大幅に上昇し、雇用情勢の急速な悪化が明らかとなった。特に、製造業の雇用者数の減少が顕著であり、ハイテク不況によるリストラの広がりが裏付けられた。消費への悪影響を避けるために、FRBは10月に再利下げに踏み切るとの見方が強まっている。


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[規制緩和]

(1) 郵政公社って何?(9/2) **

 郵政公社とは、郵便、郵便貯金、簡易保険の郵政3事業を運営する国営の公社で、中央省庁等改革基本法により2003年の発足が決まっている。1月の省庁再編で、企画立案部門を総務省、現業(運営)部門は新設の郵政事業庁に集約された。公社は両部門を再編して発足する。公社化は、郵政3事業に民間企業の手法を取り入れ、効率を高めるためである。職員の身分は国家公務員のままであるが、独立採算を目指す。公社化とともに、郵便事業の民間への開放も進め、採算の悪い地方の郵便局が整理される可能性もある。このような公社化の背景には、3事業の肥大化や参入規制を、運輸会社や銀行が「民業圧迫」として非難したことにある。基本法は民営化を否定しているが、小泉首相の就任により状況が変わり、首相の私的懇談会では、公社化後に3事業を分割し民営化する案が浮上している。注意を要するのは、郵貯や簡保が集めた資金の多くは、特殊法人と呼ばれる公団や事業に貸し付けられているという点である。したがって、郵貯と簡保の民営化は、特殊法人改革と一体で進める必要がある。


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