9月第3週(9/9−9/15)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 全国銀行の不良債権新たに8兆6000億円(9/12) ***

 都市銀行や地方銀行など全国銀行137行で、今年3月期の不良債権が新たに8兆6000億円発生したことが分かった。政府は、大手銀行に2,3年内に不良債権を処理するように求めているが、不良債権残高は、銀行全体で前年同期より2兆1千億円多い32兆5千億円と、過去最高の水準に達している。大手18行は、4兆3千億円の新規発生に対して、4兆8千億円を最終処理したため、不良債権残高は3年連続で減少した。地銀、第二地銀は、4兆4千億円新たに発生したが、1兆7千億円しか処理しておらず、残高は4年連続で増えた。


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(2) マイカル法的整理へ(9/14) **

 経営再建中の大手スーパー、マイカルは、自主再建を断念し、会社更生法など法的整理のための手続きを申請する。連結有利子負債は、約1兆500億円で、負債総額はさらに膨らむ見通しである。同社は、子会社売却を進めたが、株価低迷による信用不安の増大で急速に資金繰りが悪化した。第一勧銀など取引き金融機関も、支援継続が困難になったと判断した。


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(3) 要注意先債権銀行に引当金積み増し迫る(9/15) **

 マイカルの民事再生法申請により、銀行は回収に注意を要する「要注意先債権」向けの貸倒引当金の積み増しを迫られる。要注意先債権は、民間金融機関全体で110兆円ある。大手各行は、現在マイカルを要注意先と査定し、貸倒引当金を貸出額の3−5%にとどめているもようである。しかし、実際の損失は、貸出額の50%近くに達する可能性が大きく、各行とも巨額損失の発生が避けられない見込みである。市場関係者は、要注意先のなかには、経営が極度に悪化している企業が多く含まれていると、見ている。この不信感が、銀行の株価下落を招き、金融システム不安を招く主因となっている。


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[世界経済]

(1) 景気浮揚日米に重責−APEC財務相会合(9/9) *

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)財務相会議は、世界同時不況の防止に向け、日米の責任の重さが浮き彫りにされた。日米の景気後退が、世界全体に広がることへの警戒感が、APEC諸国に強い。会合では、アメリカは金融緩和や減税の効果により、景気回復を図ることを強調した。日本も、今年度のマイナス成長を避けるための政策努力を表明したが、両国とも経済環境は厳しい。両国の減速がアジアに与えた影響は、深刻である。アジア通貨危機後の回復の原動力であったIT関連産業の輸出に急ブレーキがかかり、シンガポールや台湾は4−6月期に前期比でマイナス成長となった。

 APECのメンバー諸国は、日米財務相の決意表明を呼び水に、域内経済の安定的な発展に向けた政策協調と構造改革の推進を確認した。


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(2) ユーロ圏4−6月期前年比1.7%成長に鈍化

 EUが発表したユーロ圏の4−6月期の実質GDP成長率は、前年同期比で1.7%の伸びで、1−3月期の2.4%と比べると、大幅に減少した。前期比でも0.1%の伸びで、1−3月期の0.5%と比べると縮小した。アメリカ景気の減速による輸出減により、欧州景気の減速が一段と鮮明になった。一方、EU全体の4−6月期の成長率も、前年比、前期比ともユーロ圏と同じであった。


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