今回は、公務員試験に詳しい南関突八(なんかんとっぱ)氏が、M大の文系の出身で、1999年度の国家U種試験に見事合格された大井加奈子さん(仮名)に、公務員試験の勉強と受験の体験について、インタビューしました。
南関氏 大井さん、合格おめでとうございます。公務員試験は年々難しくなっていますが、どのように勉強して試験に臨んだか、これから受験を目指す後輩のために少しお話を聞かせてくれますか。
大井さん 私が公務員試験を受けようと思ったのは大学の2年位の頃からです。ずっと景気が落ち込んだままで、就職が難しくなり、またリストラなどという憂うつなニュースばかり目に付いて、自然と公務員という職業を考えるようになりました。しかし、実際に、勉強をはじめたのは大学3年の冬です。
南関氏 大学3年の冬から本格的に勉強をはじめたというのは、他に合格している人の例から見て、決して早い方とは思えませんが、それで合格したということは、勉強の効率がよかったのか、それとも基礎力があったかだと思います。
大井さん 高校時代は比較的勉強が好きな方でした。今でも、勉強すること自体は嫌いではありません。でも、公務員試験の勉強というのは、どこでも教えてくれるものではないので、最初は戸惑いました。
南関氏 大学の公務員講座や公務員予備校、通信教育など、さまざまな機会がありますが、どのような方法で勉強しましたか?
大井さん 公務員関係の参考書や問題集を見るだけでは、勉強を継続するのは困難です。私のように意志が強くない人間には、とても独学だけで、最後まで努力を貫くことはできないと思いました。それで、大学の公務員試験教室を利用しました。それから、専門学校の公務員講座も少しだけ利用しました。
南関氏 そのような、さまざまな機関を利用できるというのは、環境としては恵まれていると思います。合格への 30 題は利用しましたか?
大井さん はい、憲法、行政法、社会学を購入して、勉強しました。
南関氏 効果はどうだったでしょうか?
大井さん いろいろな勉強方法をハシゴして、もっと他に効果的な勉強法がないだろうかと検索しているときに、インターネットでこのシリーズを知りました。パソコンでゲーム感覚で勉強できて、自然と基礎力が身についていくという風に紹介されていました。全部を信じたわけでは有りませんが、こういう方法もあるのかなという感じで、購入して、使用しました。使用してみた印象を率直に言いますと、ゲーム感覚で勉強できるというのは少し違っていたかも知れません。
南関氏 やはり、遊びながら勉強というわけにはいきませんよね。勉強に多少の苦痛が伴わないはずはありません。でも、いいと思った点はありませんか?
大井さん 私は、ずっと法律系の科目の問題に、とても違和感というか、馴染めないものであるという印象を持っていたのですが、憲法と行政法を徹底的に練習してみた後では、自分の気持ちの問題かもしれませんが、法律というものはこのような基本原理に基づいて組み立てられているのだなという、理解のようなものが得られました。これが自信となって、法律系の問題の答えを推理したりすることが苦にならなくなりました。このようにして得られた自信というものは、大きかったと思います。
南関氏 大井さんの学校での専攻は何ですか?
大井さん 英文学です。
南関氏 社会学も購入されたということですが、こちらの方の印象も聞かせて下さい。
大井さん 社会学の執筆をされた先生が序文などで書いていましたが、社会学はつかみ所のない科目で、公務員試験での出題数も多くないので、受験者は捨ててしまうことが多いのですが、実際にはかなりの頻度で出題されていて、内容も比較的同じような問題が出るということでした。そこで、この30題の問題と解説をを繰り返し勉強して、集中してソフトと格闘して、社会学というものがどういう学問であるのかを何となく理解できたように思います。
南関氏 序文には一ヶ月で社会学をマスターできると書いてありましたよね。確かに、一ヶ月で社会学を卒業できるとしたらすごいソフトだと思いますよ(笑い)。でも、試験で社会学の問題は出たんですか?
大井さん 社会学の問題は選択しなかったと思います。でも、問題を読んで、5つの選択肢から、正解と思えるものを選んでみるという操作を繰り返しているうちに、このような試験全般の解答のコツのようなものが分かったような気がします。問題集でも同じような練習はできますが、パソコンでの操作の方が効率はいいと思います。
南関氏 問題数が少ないとは思いませんか。特に書物の問題集と比べると。
大井さん 解説を読みながらすべての問題を理解して行こうとすると、かなりの労力になり、それほど物足りないという気持ちはありません。全部の内容を覚える位になった頃には、その科目についてはかなり自信を持つようになりました。
南関氏 なるほど、書物の問題集とは、使い方が異なるものなのだと考えるべきでしょうか。では、不満な点はありませんでしたか?
大井さん 刊行予定の科目のリストには、数的処理などの教養科目もあげられていますが、刊行の時期も未定のようで、私は利用できませんでした。数学的な問題の勉強には苦労しましたので、それが完成していたら楽だったと思います。早く刊行してほしい科目がありました。
南関氏 はい、製作スタッフに伝えておきます。
大井さん ソフトとしての機能も、少し地味すぎるかなという感じも有ります。もう少し色々な機能がついているソフトに慣れていますから。
南関氏 DOS版の限界でしょうか。新しい機能は Windows 版の中に盛り込んでいくというのが開発スタッフの方針のようですから。Windows 版もようやく完成したようなので、今後、その様な機能も充実していくと思います。本日は、お忙しい中、お話を聞かせていただき有り難うございました。本シリーズの充実に、大変有用なお話だったと思います。スタッフに代り、お礼を申し上げます。大井さんの、今後の御活躍を期待しています。
大井さん 有り難うございます。