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2001年上半期 世界経済10大トピック

2001年上半期の世界経済のトピックで、特に重要なものを10件ピックアップしました。これは、週間トピックからの抜粋です。


(1) ユーロ12カ国政策協調拡大(2001/2/5) **

 欧州連合(EU)の通貨統合に参加する12カ国は、予算編成を相互にチェックするほか、税制改革や社会保障制度の見直しなど重要政策は、事前に通告する制度を導入し、経済政策の協調を強める。ユーロ圏の安定成長と健全財政を維持し、ユーロの価値を高めることが目的である。既に、財政赤字を一定の範囲内に抑える仕組みを導入している。しかし、各国の議会は国内事情で政策を決定したい力学が働き、議会との調整も課題となる。


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(2)中・東欧への先進国の投資加速(2001/2/19)**

 EU加盟の準備をすすめている中・東欧への投資が加速している。ポーランドなど10カ国への直接投資は、この数年年率10−40%で伸びつづけ、2000年は約200億ドルと96年から倍増した。西欧に比べ、生産コストが低い上、経済改革の進展も見込めるため、直接投資、証券投資とも拡大が続きそうで、欧州景気全体の下支えとなっている。


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(3)アジア経済冷え込み急速(2001/2/21) ***

 アジア経済の減速感が、急速に強まってきた。アメリカ経済の減速が波及し、アメリカへの輸出が大幅に鈍化し、生産にも影響が及んでいる。経営者心理も冷え込んでおり、設備投資や個人消費も懸念が生じている。97年の通貨危機からV字型の回復を遂げたアジア経済は、正念場を迎えている。


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(4)米10−12月期1.1%成長に下方修正(2001/3/1) ***

 アメリカ商務省によると、昨年10−12月期の実質GDP成長率は1.1%で、速報値から0.3%下方修正した。個人消費が落ち込み、IT関連投資も減少し、95年4−6月期以来の低い伸び率となった。

米GDP成長率の推移(四半期ベース、%)
1999年 2000年
II III IV II III IV
3.5 2.5 5.7 8.3 4.8 5.6 2.2 1.1


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(5) NYダウ一時一万ドル割れ(2001/3/15) **

 ニューヨーク株式市場で、ダウ工業株三十種平均が、一万ドルを割り、アメリカ経済のもろさが浮き彫りになってきた。米連邦準備理事会(FRB)が、0.5%の利下げに踏み切り景気下支えをするのは確実である。


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(6) 米雇用先行き不安拡大(2001/4/7) ***

 米労働省によると、3月の失業率は、4.3%に上昇した。雇用者数も、9年4カ月ぶりの大幅な減少となった。製造業を中心に、企業の雇用調整が広がったことを示している。雇用の悪化は、個人所得の減少により、さらに景気を下押しする可能性がある。


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(7) 米0.5%緊急利下げ(2001/4/19) ***

 米連邦準備理事会(FRB)は、18日短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利を、0.5%引き下げ年4.5%とすることを決めた。公定歩合も、0.5%引き下げ、同4.0%とする。利下げは、今年に入り4回目である。米企業の決算発表で、想定外の業績の落ち込みが表面化しており、景気の急減速に歯止めをかける姿勢を示した。


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(8) 欧州景気一段と減速(2001/6/4) ***

 ドイツを中心に製造業の景況が悪化しているため、欧州景気が一段と減速観を強めている。ユーロ圏の今年の成長率を2%程度に下方修正する民間金融機関が増えている。また、米国景気の下期回復期待が強いため、ユーロは対円で一時1ユーロ=100円の大台を割り込み、対ドルでは、過去最安値に近づいている。


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(9)世界経済けん引役欠く(2001/6/29) ***

 日米欧の景気が同時減速傾向を強めている。アメリカは、6度目の金利引下げを決めたが、今年下期の景気は不透明である。日本は、経済構造改革が迫られ、当面景気後退から脱するのは難しい状況である。景気減速の中で、物価上昇に直面する欧州の政策は、手詰まり気味である。世界の生産工場となりつつある中国に、内需の強さは乏しい。けん引役を欠く中で、7月のジェノバ・サミットは、需要創出に向けた政策協調が最重要課題となる。

      2001年度第一・四半期の実質GDP成長率
        日本     −0.8%
        アメリカ    1.3%
        欧州 ユーロ圏 2.5%
        中国      8.1%
        韓国      3.7%


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(10) 欧州インフレ長期化懸念(2001/5/24) *

 欧州で、インフレ懸念が長期化する懸念が台頭してきた。ドイツの5月の消費者物価上昇率は、前年同月比3.5%と、7年ぶりに3%となった。家畜伝染病による食品価格の上昇や原油高が主な要因である。一方、独仏の景気減速も鮮明で、物価高と景況悪化の同時進行の恐れが浮上している。そのため、欧州中央銀行(ECB)は、最重要政策金利の市場介入金利を4.5%のまま据え置いた。


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