9月第1週(8/31〜9/6)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1)円売り介入で116円台(9/4) **
4日の東京外国為替市場では、政府・日銀の円売り・ドル買いの市場介入を受け、円相場は前日比81銭円安の1ドル=116円85〜87銭で取引を終えた。市場では、不快感を示すアメリカの意向にとらわれず、急激な円高を許さない姿勢を示したと受け取られている。
政府・日銀は、今年1〜7月に過去最高の約9兆円の介入を実施し、市場では防衛ラインを1ドル=115円付近に設定していると見られてきた。この日も、円が1ドル=115円台に3ヶ月ぶりに買い進まれた段階で介入が行われており、それが裏付けられた格好である。これまでの巨額の日本の円売り介入に対し、アメリカ側は、意図的な円売り誘導として、不満を高めており、8月には政府・日銀は介入を控えていた。しかし、4日は、一気に円の水準を引下げる押し下げ介入が行われたと見られる。今後、アメリカが反発を強めるのは必至である。
(2)設備投資回復―持続性には不安も(9/5) ***
財務省が発表した今年4〜6月期の法人企業統計調査で、全産業の設備投資(金融・保険業を除く)が前年同期比6.4%増の高い伸びとなった。業績の改善により企業に投資を行う余裕が生まれてきたことを示している。全産業の売上高も8期ぶりに増加に転じた(しかし、価格回復は収まっていない)。しかし、設備投資の伸びには、10月からの排ガス規制の強化を前にしたトラックの買い替え需要が大きく影響しているとの指摘がある。4〜6月期に普通トラックの販売台数は、前年同期比50%以上伸びており。これが設備投資に計上されたためである。また、今回の回復は、これまでの大幅な抑制の反動であり、長続きはしないとの見方もある。
(3) 7月の一致指数、3ヶ月連続50%上回る(9/5) **
内閣府による7月の景気動向指数(速報値)によると、景気の現状を示す一致指数は77.8%で、3ヶ月連続で景気判断の分かれ目となる50%を上回った。景気の動きより半年ほど先行する先行指数も77.8%と、3ヶ月連続で50%を上回った。一致指数が3ヶ月連続で50%超となれば、景気回復局面入りが濃厚とされるが。内閣府は「景気の動きが緩やかになっている中で、3ヶ月で流れを判断するのは難しく、景気は基調として横ばいにある」と慎重な見方をしている。
(1) 中国、人民元レート堅持に躍起(9/3) ***
中国の貿易赤字拡大により、人民元に対する国際的な切り上げ圧力が強まっている。ドルへの固定レートという為替政策には、海外から批判が強まっている。
外国為替市場では、貿易黒字のためドル余剰・人民元不足により、人民元は上昇圧力にさらされており、政府の人民元売り・ドル買い介入で、為替レートを維持しているのが現状である。中国政府は、為替レートの維持をしやすくするため、国内企業の外国との資本取引を厳しく制限している。しかし、経済の活性化のため、国内への直接投資(重要30用語の「国際収支」を参照)だけは制限を緩くしている。
企業が生産能力やサービスを高めるため、機械を購入したり、工場を建設することである。国内総生産(GDP)の10%以上を占める。 |