7月第3週(7/13〜7/19)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1)トヨタ、世界生産600万台(7/15) **
トヨタ自動車の2003年の世界生産台数が、国内メーカーでは初めて600万台の大台に乗せる見通しとなった。国内市場では、ミニバンなどの販売が伸び、北米、アジアなどの地域でも、セダンやSUV(スポーツ用多目的車)の販売が好調なことから、当初計画を上回る見通しとなった。
トヨタの今年1〜5月の世界生産台数は、平均6%強の伸びで推移しており、年後半も北米市場を中心に需要拡大が期待できることから、生産計画を上方修正した。ただし、トヨタは、子会社の日野自動車とダイハツ工業も合わせた連結ベースの世界生産台数は、630万9千台と初めて600万台を突破している。
(2)倒産、上半期4年ぶり減(7/15) ***
民間信用調査機関の帝国データバンクによると、2003年上半期の負債額1千万円以上の倒産は、前年同期比9.0%減の8,984件で、上半期としては4年ぶりの減少であった。負債総額も13.3%減の6兆4,536億円と、3年ぶりに前年を下回った。帝国データバンクは、販売不振などの「不況型倒産」が上半期では最高の77.5%に達したと指摘し、企業の経営環境は依然として悪化しており、倒産状況は今後も予断を許さない。
業種別では、ほとんどの業種で前年を下回ったが、サービス業の倒産は、9.4%増の1,157件となり、上半期の過去最高を記録した。
(1)開放中国市場、ルール未熟・恒常被害(7/16) **
SARSの流行にもかかわらず、7%以上の高成長を続ける中国で、巨大市場に魅せられて進出する外国企業は、未成熟なビジネスルールや商道徳の乏しさなど「チャイナ・リスク」に悩まされている。これまで指摘された模倣品被害に加え、最近は支払いの踏み倒しなど債権回収の問題も頻出しており、進出企業にとり問題は山積である。
中国では、企業の財務担当が期日どおりに支払いをすれば首になるといわれ、下請への支払いを踏み倒すのも当たり前という文化土壌がある。一方、模倣品被害も依然として減少していない。日本企業の模倣品による被害総額は、年間1兆円を超えると推定される。中国は、WTO加盟に向け通商関連法の整備を急いだが、下請保護規定の整備は遅れているのが実情である。
市場経済導入後10年の中国が、今後ビジネスルールや商道徳を確立できるかどうかは、いまだに未知数である。
(2)米ハイテク、回復鮮明(7/19) ***
アメリカハイテク企業の業績回復が鮮明になってきた。今年4〜6月期決算では、主要ハイテク企業の純利益は二けたの大幅増益となる見通しである。主要ハイテク80社の4〜6月期決算の予想純利益は、前年同期比18%増で、四・四半期連続で二けた増益となった。低金利で好業績が続く金融部門と並び、回復が際立っている。
ITバブル崩壊以降、需要の急減とパソコンなどの価格下落により、売上高の伸び悩みが続いていたが、IBM、マイクロソフト、ヤフーなどが前年同期比二けた増収を確保したほか、インテル、アップルコンピューターも同8%程度と比較的高い伸びを見せている。