7月第4週(7/20〜7/26)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1)「特区」縛る規制なお(7/22) **
地域限定で規制を緩和する構造改革特区の第一号57件が誕生してから、3ヶ月である。好調な特区もあれば、別の規制の壁にぶつかっている特区まで、多様である。
神戸市の「国際みなと経済特区」は、税関の申請を一年中、24時間オープンさせるサービスを認定当日から実施している。これまで3日かかっていた税関手続きが一日で完了できるようになり、通関業者の評判は上々である。神戸市によると、通関は、一日当たり3倍弱増えたという。相模原市の特区では、株式会社などが農地を借り上げる形で農業ができるように規制緩和された。申請した経営者は、女性を雇うため、更衣室や休憩所を作ろうとしたが、農地法では農業用施設以外は作れないという壁にぶつかっている。
(2)素材産業、続々中国へ(7/23) ***
国内素材産業では、鉄鋼、紙、ガラス、石油化学などのトップ企業が、中国に生産拠点を置く動きを加速させている。高成長のため、市場が拡大している中国で、現地生産を強化している日系の自動車、電機メーカーなどの素材を供給するためである。人件費や流通コストが安く、収益性が高い中国製産のメリットを享受する狙いもある。
しかし、中国での生産は、国内製造業の空洞化と技術流出の危険がつきまとう。
(3)7地区で景気改善―日銀支店長会議(7/23) ***
日銀の支店長会議で、イラク戦争の早期終結やSARSの沈静化などで、日本の景気は、全体としてやや改善しているとの認識が大半を占めた。福井総裁は、「景気は横ばい傾向であるが、海外情勢の不透明感が後退する中で、設備投資が緩やかな持ち直し傾向にある」と、景気判断をやや上方修正した。また、大阪や名古屋など7支店が、景気が改善したとの認識を示した。7支店は、その理由として、海外情勢や設備投資の好転に加え、日米の株価回復やコスト削減による企業収益改善等を挙げた。
(1) WTO新ラウンド、事態打開へ動くか(7/24) **
2004年末までの合意を目指す世界貿易機関(WTO)の新多角的交渉(新ラウンド)が、重要な局面を迎えている。難航する農業交渉に向け、大連でアジア欧州会議(ASEM)の経済閣僚会議が始まった。主要な交渉分野での中間合意を目指す9月のメキシコ・カンクンでの閣僚会議を前に、非公式閣僚会議も28日から、モントリオールで開かれる。事態打開がなければ、新ラウンドの成否は極めて厳しい状況を迎える。
焦点である農産品の関税の引下げ方式をめぐっては、日本とEUは、品目ごとに柔軟に対応できる方式を主張し、アメリカやオーストラリアは大幅な一律引下げ方式を訴え、対立している。
(1) 京都議定書、ロシアが批准へ(7/22) ***
地球温暖化防止のための京都議定書の批准承認を、プーチン大統領は9月にも議会に諮る予定である。議会も同意するのは確実である。京都議定書の発効は、アメリカの離脱後EUについで排出量の多いロシアの批准が絶対条件となっていた。同国政府の方針が固まり、発効は確実となった。(経済事情―重要30用語「京都議定書」参照)