6月第1週(6/1〜6/7)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) 住宅ローン世帯、デフレ下で消費抑制(6/1) ***
国民生活白書によると、85年の消費支出を100とした場合、住宅ローンのない世帯は、2002年に103.3であるのに対し、住宅ローンを抱える世帯は、99.3である。デフレが深刻化した98年頃から、差が広がっている。デフレ下で、物価は安くなっても、住宅ローン額は減らない。そのため、実質的な債務負担が重くなり、消費に悪影響を与えているものと考えられる。また、地価下落で住宅の資産価値が減り、これが消費を抑制する逆資産効果も働いていると思われる。
(2) 65歳以上介護保険料3500円超、急増(6/3) **
4月から改定された65歳以上の介護保険料が、3,500円を超える保険者が四分の一に達し、高額化の傾向は明らかである。全国の加重平均額は3,293円で、改定前に比べ13.1%アップした。保険料を引き上げた保険者は、80.6%で、上げ幅が2,000円以上であったところもある。
保険料が高い方の保険者の自治体は、人口が少ないのに、コストがかかる特別養護老人ホームなどの施設があったり、在宅サービスが大幅に伸びていたりという場合が多い。一方、保険料が少ない方の保険者は、在宅サービスの利用が低調な上、施設も少ないケースが多いと見られ、介護の社会化が遅れている可能性がある。自治体ごとに異なる高齢者の介護保険料には、地域ごとの介護事情が凝縮されている。
(3) 内閣府、景気の谷2002年1月と判定(6/7) ***
内閣府は、景気の直近の谷を2002年1月と判定し、前回の谷からの期間は36ヶ月と戦後二番目の短さとなった。特に、景気回復期間が短縮化の傾向を強めているのは、日本経済の潜在成長力が低下しているのに加え、海外の景気動向に左右されやすくなっていることが原因として指摘される。現在の回復局面も力強さに欠け、戦後最短となった99年2月から2000年10月までの回復局面の21ヶ月をさらに下回る可能性がある。
4月の景気動向指数も、一致指数が景気判断の分かれ目となる50%を4ヶ月ぶりに下回った。輸出の減速を反映し、生産関連の指標がマイナスとなっているためである。既に、今年1〜3月期に景気はピークを迎え、今は緩やかな景気後退に入っているというという見方もある。
(1) エビアン・サミット開幕(6/2) **
第29回主要国首脳会議(エビアン・サミット)が開幕し、イラクの戦後復興や北朝鮮、中東情勢、世界経済、開発問題などが討議される予定である。初日に、主要8カ国首脳と、中国、エジプトなどの新興・途上国の12カ国代表が意見交換した。
ブッシュ米大統領は、エイズ対策などを含む途上国支援や、貿易自由化を目指す世界貿易機関(WTO)の役割りを重視する考えを表明した。途上国側は、インフラ整備と投資を確保する官民協力、中所得国の債務削減などを求めた。
(2) 欧州中央銀行(ECB)0.5%利下げ、最低更新(6/5) ***
欧州中央銀行(ECB)は、政策理事会でユーロ件12カ国の短期金利の誘導目標となる主要政策金利を、現行の2.5%から2.0%に引下げることを決めた。9日から実施する。金利水準は、ユーロ導入後最低となった。金融緩和による景気てこ入れが目的である。ドイセンベルク中央銀行総裁は、「経済成長の下ぶれリスクを考慮した」と言明し、米欧間の金利差が一因とされる過去一年のユーロ高についても「対外的な価格競争力を低下させる」と述べ、輸出への悪影響を認めた。