6月第4週(6/22〜6/28)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1)国債残高500兆円突破(6/26) ***
財務省は、今年3月末の国の借金の残高が、前年度比10.1%増えて、687兆7605億円に達し、過去最高を更新したと発表した。このうち、国債発行残高は504兆2536億円と4分の3を占め、初めて500兆円を突破した。この結果、国民一人あたりの国の借金は、約525万円と初めて500万円を超えた。
税収減を穴埋めするため、普通国債の発行残高が28兆6千億円増えたほか、財投債も、償還がまだ始まっていないため、発行残高が31兆8千億円増えた。
また、地方の借金を合わせた長期債務残高は約699兆円となり、国民一人当たりで約550万円となる。
(1)新ラウンド、農業交渉で対立続く(6/23) **
世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(新ラウンド)の議論は、エジプトでの非公式閣僚会合でも目立った進展がなかった。
EUは現在、域内の共通農業政策で、農業助成金の削減を検討している。この結果、農産品の関税の大幅な引下げを求めるアメリカの主張にも変化が出ると期待する。しかし、EUの農業改革は、フランスなどの反対で難航している。結論が出ないケースや、結論が出てもアメリカが不十分と判断する可能性もある。このような情勢になると、新ラウンド全体の進展も図れない状況に追い込まれそうだ。
(2)アメリカFF金利引下げ、デフレ抑止正念場(6/27) **
米連邦準備制度理事会(FRB)は、日本のコール・レートに相当するフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を、0.25%引下げ、年1.0%としたが(2001年1月以降12回目の引下げ)、デフレ傾向を抑止する効果は未知数との見方が多い。利下げ余地の狭まりから、FRBはFF金利の誘導に留まらない非伝統的手法に踏み込むことも検討する構えである。
アメリカ経済は、1〜3月期のGDP実質伸び率の確定値が、年率換算で前期比1.4%増と0.5%下方修正され、前期と横ばいの低成長になった。アメリカ経済が今後、潜在成長率とされる3〜4%台の伸び率に、いつ回復するかは見えない。アメリカ政府は、5月に関連法が成立した総額3500億ドルの減税と、FRBの利下げの相乗効果に期待している。しかし、企業の売上高減となる物価下落が続けば、回復はさらに遠いものとなりかねない。
(1) 道路公団民営化、骨抜きの懸念(6/24) **
政府の道路公団民営化推進委員会が昨年12月に、民営化に向けた最終報告を出してから半年が過ぎた現在も、その具体化は遅々として進んでいない。小泉首相は、「最終報告を尊重する」と繰り返してきたが、骨抜きになる懸念も強まっている。
公団への民間企業出身者の登用は、本四公団のみで他は非常勤顧問に留まっている。各公団のファミリー企業から天下り社長を総退陣させるという改革も、掛け声倒れに終わりそうである。また、民営化会社の5分割案も地域の線引きは手つかずのままである。今後の道路建設でも、必要な道路は採算性を厳しく判断しながら作るとしていたが、建設に向けた優先順位は全く示されていない。
1年以上の借入金の金利のことであり、10年物国債の流通利回りが代表指標となっている。設備投資資金や住宅ローンの金利の指標となるため、長期金利の変動が国民生活に与える影響は大きい。国債は国の信用があるため、安全な投資商品となっているため、株安局面では国債を買う人が増え長期金利が低下する。一方、株高局面では、国債が売られ長期金利が上昇するのが一般的である。 |