10月第3週(10/12〜10/18)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1)上場企業銀行離れ加速―借入金80兆円割れ(10/12) ***

 上場企業の銀行離れが加速している。日経新聞の集計によると、上場企業1,638社の長短借入金の2002年度の合計残高は、約78兆円と14年ぶりに80兆円を下回った。金融機関からの借入金が総資産に占める割合も、過去20年で最高であった82年度の33%から21%へと低下した。企業は、社債・株式などによる資金調達を進めている側面もあるためである。

 また、株式持合いの解消も進み、上場企業株式のうち銀行保有分の比率は、ピークの85年度の20.9%に比べ、約3分の1の8%弱の20兆円程度に下がった。株価の変動が収益に影響を与えるのを防ぐためである。


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(2)今年度上半期の倒産件数9,000件下回る(10/16) ***

 帝国データバンクによると、今年度上半期の負債額1千万円以上の倒産件数は、前年同期比13.5%減の8,327件となった。上半期としては、4年ぶりに9千件の大台を割りこんだ。負債総額も、前年同期比10.1%減の5兆5,230億円と、上半期としては6年ぶりに6兆円を割った。

 倒産件数と負債総額が大幅に減少したのは、中小企業を中心にリストラを進め、経営体力が回復していることが原因である。


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(3)景気判断据え置きー政府の月例経済報告(10/16) ***

 竹中経済財政・金融相は、10月の月例経済報告を提出した。政府の景気認識を示す基調判断は、「景気は持ち直しに向けた動きが見られる」として、9月の判断を据え置いた。生産や輸出が伸び悩んでいるためである。一方、先行きの懸念要因として、円高を挙げた。今後一年、現在より10%の円高が続いた場合、実質GDP成長率を0.2%程度押し下げるとの試算が報告された。


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[世界経済]

(1)ドイツ、新法で半強制的に就労(10/18) ***

 ドイツ連邦議会は、失業保険や生活保護の長期受給者を半強制的に職につかせる労働市場改革法案を可決した。シュレーダー政権が進めている社会構造改革「アジェンダ2010」の中核法案で、参議院も通過すると、高福祉型社会に大きなメスが入る。

 今回可決された法案は、失業者への各種補助金を統合し、支給額を減らすと共に、長期受給者には斡旋された職に原則的に就く義務を負わせる。正規の雇用契約で一年以上働けば、失業に対する各種補助金が半永久的に支給されたため、条件の悪い職に就くより失業を選ぶ人が多かった。


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[競争政策]

(1)内部告発に課徴金減免―独禁法改正原案(10/15) **

 公正取引委員会が検討している独占禁止法改正の原案となる独占禁止法研究会の最終報告書が明らかとなった。報告書は、違反行為が少なくなく、独禁法の実効性は必ずしも確保されていないとして、改正の必要性を強調している。  取り締まりの強化の具体策として、談合に参加した企業が、自発的に公取委にその事実を申し出た場合、課徴金を免除または減額する「措置減免制度」を適当とした。違反事業者に、カルテルから自発的に離脱する誘因を与えるためである。

 また、同報告書は、国税庁や証券取引監視委員会並に、強制的に立ち入って証拠を捜索できる「犯罪調査権限」を認めた。従来の手続きでは、業者が応じなければ、公取委は立ち入り調査が出来ないため、証拠隠滅の恐れもあった。

 そして、カルテルに対しては、現行では売上高の6%が課徴金となっているが、20%程度を軸に大幅に引き上げる方針である。公取委は、違反を繰り返す企業が多いのは、課徴金の低さが一因と見ている。また、違反を繰り返す悪質な業者に対しては、課徴金の額を割り増す加算制度も導入する。

 さらに、新規参入者を排除し、競争を制限するような私的独占の行為も、課徴金の対象とするのが適当としている。


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