9月第2週(9/7〜9/13)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 全国銀行貸出残高400兆円割れ(9/9) ***

 全国銀行の8月の貸出平均残高が399兆4125億円と、91年調査開始以来初めて400兆円を割り、銀行が不良債権処理を加速していることが裏付けられた。また、デフレで借金の実質的な重みが増すなかで、企業側が借入金を少しでも減らす動きを強めていることも影響している。

 全国銀行の貸出残高は、96年に536兆円まで増えたが、その後減少に転じていた。背景には、銀行などの破綻が相次いだ97年以降、銀行は不良債権処理を進めてきたが、昨年10月の政府の金融再生プログラム(竹中プラン)で融資全体に占める不良債権の比率を2005年3月までに半減させるように求められたため、銀行は処理を急いだ。


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(2)「持ち直しに向けた動き」−9月月例経済報告(9/10) ***

  政府は、9月の月例経済方向で、景気の持ち直しを宣言する方針を固めた。設備投資や輸出にも回復傾向が出てきており、株価が上昇基調にあるためである。8月は横ばいとしていたが、9月は持ち直しに向けた動きに改める。今回の修正で、踊り場を脱し回復基調に戻った事を明確にする。横ばいの表現が取れるのは、2月以来7か月振りである。


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(3) 国の債務超過、最大844兆円(9/13) **

 財務省は、2001年末時点での国の資産と負債をまとめた「国の貸借対照表」を発表した。一般会計と特別会計の合計で、負債が資産を上回る債務超過額は、200兆2500億円となっており、前年度比16兆5000億円増加した。この債務超過額には、基礎年金の国庫負担分や、年金を将来の保険料収入で賄うとされる債務が含まれていない。この債務を含めると、年金の債務超過額は約651億円になり、国全体の債務超過額も844兆1500億円になると試算している。

 このように、債務超過額が増加したのは、年金財政の悪化のほか、国際や郵貯などの負債が約33兆円増えたためである。国債残高の増加分約25兆円のうち、国の資産として計上できたのは約5兆円に留まり、借金の大半が資産として残らない人件費などに消えている。


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[世界経済]

(1)財政赤字と失業―ブッシュ弱み抱え(9/11) ***

 再選を目指すブッシュ大統領にとり、不況克服は重要課題の一つである。特に、ブッシュ政権で300万人の雇用が失われたと批判される失業者増はアキレス腱である。大統領が、再選に失敗した父、ブッシュ元大統領の轍(てつ)を踏むまいと、景気回復策として頼むのが大型減税である。7月24日、大統領は今後10年間で3500億ドルの大型減税策を発表した。2001年に続く二度目の大型減税である。しかし、その景気浮揚効果が十分ではない上、歳入逼迫の要因となっている。2004会計年度の赤字見通し額は、5250億ドルであり、対GDP比でブッシュ大統領自身が課した上限5%に迫る史上最悪規模となる。

 また、共和党の理念である「小さな政府」よりも「大きな政府」に向かっていることも、財政赤字拡大の底流にある。防衛予算は急速な拡大を続け、同時テロにより巨大官庁「国土安全保安庁」が新設され、さらに思いやりのある保守主義を唱えて民主党ばりの社会保障歳出の拡大も目指している。


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[知って得する数字―アメリカの経済指標]

2000年 2001年 2002年
実質GDP成長率 3.8% 0.3% 2.4%
失 業 率 4.0% 4.8% 5.8%
貿易収支赤字(億ドル) 4,361 4,119 4,683
[寸評]2001年の景気後退から2002年は回復したが、失業率は高く留まったままである。


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