8月第4週(8/22〜8/28)印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1)原油高騰、50ドル目前(8/22) ***
原油価格が高騰し、史上初の1バレル=50ドルに迫っている。高騰が長引けば、回復基調の日本経済にも水を差しかねない不安要因となってきた。背景には、世界的な原油需給のひっ迫がある。イラク情勢が混迷し、経営危機にあるロシア石油大手ユコスの生産が停止したりすれば、すぐに供給不足を招き、さらに高騰しかねない。
原油価格の高騰の影響は、日本にもじわじわと及んできている。既に、ガソリン価格が上昇し、電気料金や消費財の値上がりも不可避である。東電は10月、中電は1月に電気料金引下げを表明しているが、下げ幅が小さくなる可能性も出てきた。原料のナフサが高騰している石油化学業界や、燃料代や輸送費の値上がりとなっている製紙業界なども、製品価格を引上げる方針である。
大和総研は、原油価格が1バレル=約50ドルで推移すると、約40ドルで推移した場合に比べ、今年度の実質GDP成長率を0.1%押し下げると試算する。
(2) 猛暑と五輪特需の7月(8/26) **
日本電気大型店協会によると、7月の全国家電販売実績では、アテネ五輪や猛暑の影響で、エアコンは前年同月比83.1%増、テレビは39.6%増と爆発的な伸びを記録した。96年に統計を取り始めてから、最高の伸び率である。デジタル化などの技術革新も、根底にあるといえる。業界では、五輪特需は終わっても、デジタル人気は当分続くと強気である。
(1)ユーロ導入のため財政に大なたー負担増に国民反発(8/28) ***
欧州連合(EU)に新規加盟したばかりの東欧のポーランド、チェコ、ハンガリーで、現職首相が相次いで辞任に追い込まれる異常事態となっている。三カ国とも、数年後の欧州単一通貨ユーロ導入を次の目標としているため、欧州規準を満たすために、経済財政改革を行っているが、国民が反発している。
どの国も、外国からの投資による生産基盤強化、経済発展加速のシナリオを描いているが、ユーロ参加には、財政赤字を対GDP比3%以下に抑える基準を満たす必要がある。各国の財政赤字の対GDP比は下記のとおりであるが、達成には、社会主義経済の名残もある経済構造に大なたを振るう必要がある。しかし、緊縮財政は、公共事業削減、福祉での国民の負担増を伴い、野党の格好の攻撃材料となる。ユーロ導入には、相当な背伸びが必要である。
ポーランド | 4.1% |
チェコ | 12.3% |
ハンガリー | 5.9% |
三位一体改革とは、国からの補助金、地方交付税を削減する一方、国から地方に税源移譲するというものである。政府の骨太方針2004の「三位一体改革」では、2005〜2006年度に行う3兆円程度の補助金の削減、税源移譲の内容、交付税改革の方向を、年内に決定するとしている。 また、2006年度までに、所得税から個人住民税へ税源移譲を実施するとしている。 |