12月第2週(12/5〜12/11)印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1)「ニ−ト」増えつづけると、人材育たず、経済悪化(12/7)

 学校にも行かず、働きもせず、職業訓練にも参加しない若者「ニート」(NEET=Not in Education、Employment or Training)が、増えている。政府は、フリーターの急増以上に深刻な社会問題だと危機感を抱き、対策に本腰を入れ始めた。平成16年度版『厚生労働白書』では、15〜34歳のニートの数は、52万人である。第一生命経済研究所は、ニートの増加で昨年のGDPが0.15%下がったとしている。

 UFJ総研によると、日本は新卒の一括採用が主で、一度フリーターやニートになると、敗者復活の道が狭く、もっと社会が働き方の選択肢を幅広く認めるべきであるとしている。


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(2)一層鮮明になった景気の減速―GDP改定 (12/9) ***

 7〜9月期の実質GDPの改定値は、新算定方式で計算され、前期比0.1%増とわずかな伸びであった。内容を見ると、個人消費が同0.2%増と力強さに欠けている。企業が、賃金など固定費削減の手綱を緩めていないことを示している。

 新算定方式によると、4〜6月期の実質GDP成長率も、同0.1%減とマイナス成長になった。景気は、今春から早くも減速していたことが明らかになった。

 政府は、依然景気は回復基調にあるとの判断であるが、最近の景気指標を見ると、減速傾向は明白である。8〜10月の景気動向指数の一致指数は、50%を3ヶ月連続で割り込んだ。これは、後退局面に入ったと判定する政府の有力な根拠となることが多い。

 従来の算定方式では、物価下落率が実態より大きく出るため、実質成長率がかさ上げされる傾向があった。昨年10〜12月期で見ると、新方式により実質GDP成長率が年率7.6%から3.8%へ下方修正された。

 新方式は、アメリカが1996年、カナダが2001年に移行している。日本は移行が遅かったため、故意に放置していたとの批判が出ている。


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[世界経済]

(1)中国WTO加盟3年(12/11) **

 中国が世界貿易機関(WTO)に加盟し、11日で丸3年を迎える。外国の投資会社に対して、流通事業への参入が同日から解禁されるなど、中国政府はWTO加盟時の段階的な市場開放という約束を順守しているように見える。しかし、不透明な規制が横行するなど、実質的に市場開放を拒んでいる面も少なくない。

 中国政府は、今月1日に、外国銀行が人民元取り扱い業務をできる地域として、新たに北京など五都市を開放した。しかし、邦銀が中国で支店を増やそうとしても、支店開設の認可がなかなか下りないのが現状である。

 また、中国政府は、来年1月1日からWTO加盟時の約束により、自動車の輸入枠を撤廃する計画である。しかし、立法により、最終的には、地域ごとに全体の需要を見て輸入認可を出す仕組みで、新たな輸入制限となる可能性が大きい。

 7月には、改正対外貿易法を施行し、申請すれば、誰でも商品の輸出入が可能になった。そして、国内販売も、外国の投資会社の卸売りなど流通事業への参入を、11日から認める。しかし、自由に販売できるのは、投資会社の親会社が50%以上株式を持つ関連企業が作る製品に限られている。

 このように、WTOとの約束とは別次元で、不透明な規制が横行しているといえる。


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[環境問題]

(1)温暖化防止締約国会議(12/6) **

 約190の国・地域が参加する温暖化防止条約の第10回締約国会議が、6日アルゼンチンのブエノスアイレスで始まる。京都議定書が来年2月に発効することを踏まえ、温暖化ガス削減の枠組みに入っていないアメリカや途上国を加えて世界全体の体制を作ることなど、議定書後の議論がスタートする。現在、アメリカは、同条約を締結しているものの、削減義務を伴う京都議定書からは離脱している。また、議定書では、中国など途上国には削減義務がない。

 会議では、議定書の約束期限が切れる2013年以降の削減体制が焦点となり、欧州とアメリカ・途上国が対立するのは必至である。


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