10月第3週(10/10〜10/16)印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1)ダイエー再生機構へ、UFJ半減目標にメド(10/14) **
不良債権の象徴であったダイエーの産業再生機構の支援の受諾で、銀行の不良債権問題が、やっと山を越えるとの見方が広がりそうである。
金融機関が多額の債権を抱えたままでは、企業の新規の貸し出しは増やしにくくなり、日本の景気の長期の低迷の元凶とされてきた。不良債権処理は、金融機関の自己資本比率が低下するため、問題の先送りとなる傾向があった。特にダイエーは、メガバンク3行(みずほ、東京三菱、三井住友)にとり、深刻な融資先とされてきた。
金融庁は、貸し出しに占める不良債権の割合を、大手行平均で2005年3月末までに4%台に減らす不良債権比率の半減目標を、2002年に設け、銀行に厳しく実現を迫ってきた。今回、ダイエーの機構活用が決まったことで、特に、深刻な不良債権問題を抱えるUFJ銀行の不良債権は、やっと半減目標達成のメドが立つところまでこぎ着けた。産業再生機構活用により、来年3月までに、金融機関のダイエー向け債権が、不良債権から正常債権になるためである。
(2)日銀、景気判断据え置き(10/14) ***
日本銀行は、10月の金融経済月報で、景気の現状について「回復を続けている」として、景気判断を4ヶ月連続で据え置いた。景気の先行きについても、景気の回復基調が続くとの見通しを示した。
原油高騰については、内外経済への影響については、引き続き留意する必要があるとした。9月短観の結果を踏まえ、企業の景況感は改善が続いているとの表現を書き加えたほか、先行きについても、雇用過剰感が緩和するとして、雇用環境が改善してきたとの,認識を強調した。
(3)改正破産法、来年1月施行(10/15) **
法務省は、企業や個人の破産増加に対応するための改正破産法(先の通常国会で成立)の施行日を、2005年1月1日とすることを決めた。
改正法では、破産した企業の債権支払いの優先順位を見直す。最優先の担保付債権の次に、これまでの滞納税金や破産管財人の報酬などに代わり、従業員の未払い給料3か月分や、給料3か月分相当の退職金を優先させ保護する。個人が破産した場合は、生活費として手元に残す現金の上限を、これまでの66万円から99万円に引上げる。
(1)原油高騰はなぜ?(10/11) ***
原油値上がりの震源地は、ニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物市場である。価格高騰は、需給逼迫に加え、投機資金が価格を引上げる悪循環となっている。同取引所では、投機筋が乱舞するマネーゲームの場になっており、原油価格は実勢価格より10ドル高い水準という。
今回の原油高の原因は、70年代の石油危機とは異なる。主な要因は、急成長する中国経済の需要急増と、原油備蓄を放出しないアメリカ政府の対応である。中国の原油需要は、年々増加しており昨年日本を抜き世界二位になった。一方、アメリカの消費は、日本の4倍以上もあり、米中両国が石油を「がぶ飲み」している状況である。アメリカ政府は、戦略石油備蓄をアメリカの消費1か月分保有している。ガソリン価格の値上がりなどを背景に、備蓄放出を求める意見も強い。しかし、アメリカ政府は、価格操縦には使わないと拒否している。
今後の見通しでは、今月下旬に発表されるアメリカの長期気象予報で、今冬が暖冬とされると、投機資金の流入が止まる可能性がある。
また、2030年の石油需要は、日量1億2千万バレルに増える見込みである。1億バレル以上の供給は困難との見方が多く、長期的に供給不足に陥る懸念は消えていない。
今年の世界の原油消費量 | 日量8,216万バレル | |
(アメリカが1/4を占め、アメリカ、中国、日本で世界消費の約4割を占める) | ||
世界の原油生産量 | 日量8,362万バレル |
(2)アメリカ貿易赤字6.9%増(10/15) **
アメリカ商務省によると、8月の貿易赤字は前月比6.9%増の540億4,100 万ドルと、単月では今年6月に次ぐ過去二番目の高水準となった。これに対し、アメリ カ産業界や労組から、ブッシュ政権に対し、対応を求める声が一層強まる可能性がある。
最大の赤字相手国は中国で、同3.3%増の153億8,600万ドルとなり、単月の 赤字の最高を記録した。