9月第4週(9/19〜9/25)印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1)基準地価―都心住宅地上昇、全国平均13年連続下落(9/22) ***
国土交通省によると、土地取引の目安となる7月1日時点の都道府県地価(基準地価)は、全国平均の地価が、前年比5.2%値下がりし、13年連続の下落となったが、下落率は0.4%縮小した。一方、東京都心部の住宅地は、17年ぶりに上昇に転じた。また、周辺地域にも、地価の上昇や横ばい地点が広がっている。
東京の区部都心部(千代田、中央、港、新宿、文京、台東、渋谷、豊島の8区)の住宅地の地価は、前年比0.3%の上昇となった。都心のマンションが人気を集め、開発会社による土地取得競争が要因と見られる。また、商業地と住宅地を合わせた東京圏の地価上昇地点数は、前年の19から71に急増した。
全国平均の地価下落率が縮小するのは7年ぶりで、都心部を中心に下げ止まり傾向が強まっている。景気回復に加え、再開発事業が相次いでいることから、不動産投資が活発化したためである。
一方、地方圏の平均下落率は5.2%と、前年より0.1%拡大しており、「二極化」も鮮明となっている。
長期的に見ると、1977年の地価を100とすると、住宅地の指数は156.8で、ピークであった1991年の225.0の約7割の水準になった。商業地は、95.1と初めて100を切り、91年のピークの226.7の約4割の水準になった。
東京都全体 | |
住宅地 | −2.7%(−4.1%) |
商業地 | −2.0%(−3.9%) |
都心部8区全体 | |
住宅地 | 0.3%(−0.9%) |
商業地 | −1.3%(−3.4%) |
注:地価の公的指標としては、土地取引の目安となる基準地価のほかに、国土交通省が1月1日に調べる公示地価や、相続税の評価基準として国税庁が発表する路線価などがある。 |
(2)需給ギャップほぼ解消かーデフレ圧力弱まる(9/23) **
長いデフレの要因の一つになっていた日本経済の需要不足(供給過剰)が、ほぼ解消された可能性があるとの試算を内閣府がまとめた。景気回復により需要が拡大し、供給面でも企業のリストラや過剰設備の廃棄が進んできたためである。
試算によると、日本経済の供給能力と実際の需要の差を示すGDPギャップは、今年の4〜6月期はマイナス0.15%とほぼゼロとなり、97年1〜3月期以来、約7年ぶりの水準に改善した。GDPギャップは、潜在的で可能なGDPと実際のGDPとの差を示す指標で、マイナス幅が大きいほど、需要不足によるデフレ圧力が強くなる。
政府は、現在のデフレ状況の要因として、次のものを挙げる。第一に、中国からの安い輸入品の増加など供給要因である。第二に、需要不足である。第三に、低調なマネーサプライの伸びである。このため、政府は、需給のバランスが改善している今こそ、デフレ克服に向けた金融面での後押しが必要であるとし、日銀に対し金融の量的緩和政策の拡大を求めていく方針である。
(3)国の借金、最悪729兆円(9/25) ***
財務省によると、国債や借入金などの6月末の国の借金(債務)の残高が、過去最高の729兆2,281億円に達したと発表した。国債と政府短期証券(満期が1年未満で、税金が入るまでのつなぎ資金を調達する財務省証券など)による借金が膨らんだためで、借金の総額は3月末からの3ヶ月間で3.7%増え、国民一人当たりの借金は約570万円に達することになる。
一方、地方自治体の借金も、今年度末に204兆円に上る見込みである。そのため、国と地方の借金総額は、1,000兆円に迫る勢いである。
国債 | 約571兆円 |
普通国債 | 約468兆円 |
財投債 | 約96兆円 |
その他 | 約7兆円 |
借入金 | 約58兆円 |
政府短期証券 | 約100兆円 |
(1)FRB3回連続利上げ(9/23) ***
アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は、代表的な短期金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%引上げ年1.75%とした。
6月と8月に続く3回連続の利上げは、6月以降の堅調な住宅投資や雇用の改善など、アメリカ経済の順調な拡大に、FRBが金融引締めへの転換に自信を深めている表れである。
FRBに誤算があるとすれば、当初の想定より最近の物価上昇が落ち着いていることである。8月の消費者物価指数が前月比0.1%増と,小幅な伸びに留まった。前月までの原油高騰の反動があったとはいえ、FRBが利上げを急ぐ理由が乏しくなった側面は否定できない。新車販売台数が落ち込むなど、自動車メーカーなど一部の産業界では、利上げの影響も出始めている。