公務員試験に役立つー週刊時事トピックス(日本経済新聞より抜粋)
11月第2週(2000年11/5−11/11)
(1)都市銀行9行の9月中間決算での不良債権処理は約1兆1千億円(11/5)**
そごうグループや千代田生命保険の大型倒産で、多額の貸し倒れ引当金を追加する必要が生じ、当初計画額の約1.6倍となった。
都銀の不良債権処理額は、98年3月期と99年3月期の約8兆円がピークであった。2000年3月期の約3兆3700億円で峠を越したと思われたが、不良債権処理は長引き、都銀の経営体力を低下させている。
(2)全国52の信用保証協会が債権回収機関を新設(11/6)*
98年10月に、中小企業への貸し渋り対策として導入された中小企業金融安定化特別保証制度により、肩代わり返済が増えているためである。来年、4月をめどに始動させる予定である。特別保証は、30兆円の枠があるが、景気低迷により、信用保証協会の肩代わり返済は増えており、特別保証だけで4000億円を超えている。
(3)9月の景気動向指数の一致指数17カ月連続で50%超(11/7)***
9月の一致指数は71.4%となり、バブル期の89年8月から90年12月の17カ月連続に並ぶ長さであり、企業部門を中心に景気回復が進んでいることを裏付けている。また、景気に6−9カ月先行する先行指数も、4カ月連続で50%を超えた。
(景気動向指数については、当ホームページの「公務員情報サービス」の「日本経済事情概説」を参照)
(4)日経平均が1万5000円回復ー今年2番目の上げ幅(11/7)*
6日の日経平均株価は、急反発し、前週比500円超上げた。ハイテク株や内需関連株が、幅広く物色された。
(5)設備投資7−9月期前期比で9.2%増と11年振りの高い伸び率(11/8)**
IT投資が、製造業から、ITを使う非製造業へと広がってきた。また、景気が「上昇」しているとみる企業の割合から、「下降」とみる企業の割合を差し引いた国内景気判断指標も、96年1ー3月期以来4年半ぶりに全業種でプラスとなった。
(6)アメリカ大統領選決着は先へ − フロリダ州(選挙人25人)伯仲1800表差(11/9)
9日午前1時現在、獲得選挙人数はブッシュが246人、ゴアが260人である。両者の得票差が、得票総数の0.5%以内のため、フロリダ州の法律により再集計となった。これと不在者投票の結果により、当選者が決まることになった。
(7)公正取引委員会が「企業の電子商取引の相談事例」初公表(11/9)*
公表したのは、6社が共同出資で設立した「ネット購買市場」の運営会社による原材料調達の事例である。6社のうち1社から相談があり、現時点では合法としたが、今後問題となりうるケースを公表した。第1に、原材料の全需要に占めるシェアが2割を超えるときは、独占禁止法上問題となりうる。第2に、運営会社の参加企業に対し、他のネット市場の利用を制限すれば、違法となる。
(8)スーパー10月の売上高23カ月連続減少(11/10)**
スーパーの10月の全国売上高は、前年同月比でマイナスとなり、23カ月連続で前年比減少となった。これは、74年の統計開始以来過去最長となった。天候不順で衣料品が苦戦し、単価の下落が止まらないのが主な要因である。チェーンストア協会の販売額の4割を占める大手6社の10月の売上高は、軒並み前年同月比で横ばい、またはマイナスとなった模様である。
(9)公正取引委員会−信書配達全面開放の報告書を公表へ(11/10)***
国の独占事業となっている手紙やはがき等の「信書」の配達業務を、民間企業に全面開放するように求める報告書を、公正取引委員会が月内にも公表する見込みとなった。公正取引委員会は、報告書をもとに郵政省等に働きかけていく予定である。
(10)エンロン 電力小売りのための大型火力発電所建設(11/11)*
エンロンがオリックス等と設立した電力小売り事業会社イーパワーは、宇部に石炭火力発電所の建設の予定である。火力は、50万から100万キロワットで、投資額は300億円以上になるものと見られる。電気は、中国電力の送電線を使って、中国地方だけでなく、関西方面にも、電力会社より安く小売する予定である。条件次第で電力会社にも一括卸売りも検討している。
(11)経済企画庁の月例経済報告−家計改善遅れ、景気判断を下方修正(11/11)**
経企庁は、11月の月例経済報告で、家計部門の改善が送れているとし、景気判断を下方修正した。ただし、企業部門を中心に自立的回復への動きは継続し、全体としては緩やかな改善が続いているとした。