12月第2週(12/3〜12/9)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 銀行の法定準備金とは何?(12/3) *

 銀行が取り崩しをしようとしている法定準備金とは、資本金や剰余金と並ぶ自己資本の一部である。会社が利益の一部を自主的に内部に留めるのが剰余金で、法定準備金は商法と銀行法で積み立てが義務付けられている。法定準備金は、株式の発行額のうち資本金に組み入れなかった額(最大で半分まで)が原資となる資本準備金と、利益の一部が原資の利益準備金に分かれる。法定準備金は、銀行の場合、資本金と同額以上にする必要がある。法定準備金も剰余金も、毎期の利益でカバーできない損失を処理するために重要である。10月施行の改正商法と銀行法では、一定の条件で、法定準備金を株主への配当にも使えるようになった。そのため、各行が取り崩しの方針を明らかにしている。大手13行の今年度3月期の損失額が当初計画の3.4倍の6兆2000億円となり、本業のもうけである業務純益3兆8000億円を大きく上回る見込みである。また、今期からの時価会計の導入により、時価評価した保有株式の含み損の約6割を剰余金から差し引く必要があり、剰余金が枯渇する銀行が増えているのも、取り崩しの理由である。


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(2) 景気―広がる負の連鎖(12/4) ***

 国内景気は、悪化の傾向が強まりつつある。IT関連から始まった減産の波は、製造業全体に波及している。業績の悪化で、企業の人員削減や賞与カットが相次ぎ、先行きの雇用不安と収入減が、個人消費を冷えさせている。消費の減退が、企業の生産調整をまた拡大させるという負の連鎖の懸念が高まっているといえる。


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(3) ムーディーズ、日本国債格下げ(12/5) **

 米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスが、日本国債の格付けを「Aa2」から「Aa3」に一段下げると発表した。これにより、日本の銀行は、大量に保有する国債の価格下落のリスクに直面する。このため、株式市場では、銀行株が一段と下落した。


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(4) 景気動向一致指数10月指標悪化(12/7) **

 内閣府によると、景気動向指数の一致指数は構成する8指標(速報値)は、すべて3ヶ月前に比べ悪化し、2ヶ月ぶりにゼロ%となった。米同時テロや日本の完全失業率の上昇で、企業や消費者のマインドが低下した。景気判断の分かれ目である50%を10ヶ月連続で下回っており、厳しい状況にあるといえる。


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(5) 実質GDP2期連続マイナス成長(12/8) ***

 実質GDPが7〜9月期にマイナスとなったのは、GDPの5割以上を占める個人消費が、前期比年率で実質6.6%のマイナスとなったことが主因である。設備投資や住宅投資は増加したが、悪化しつつある。企業部門の低迷が個人消費に波及して、景気を一層下押しするという悪循環になりかねない情勢である。


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[世界経済]

(1) アメリカ失業率悪化(12/18) ***

 ドーハで開催されている世界貿易機関(WTO)の閣僚会議は、10日中国の加盟を承認した。13億 アメリカ労働省によると、11月の失業率は5.7%となり、10月に比べ0.3%上昇し、2ヶ月連続の大幅な上昇となった。同時テロ後の10月、11月で、0.8%の急上昇となった。95年8月以来の高水準である。アメリカ景気減速で、雇用情勢が軟化していることを示している。非農業部門の雇用者数も、三十三万千人減り、10月に続き大幅な減少となった。景気後退入りした今年3月以降では、製造業だけで約103万人の雇用減である。


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