12月第3週(12/9〜12/15)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) 10月の製造業の残業代―7ヶ月連続減少(12/9) **
10月の製造業の所定外給与(残業代)は、前年同月比13.6%減少し、7ヶ月連続の減少となった。減少幅は、98年11月(同14.2%減)以来、約3年ぶりの大きさであった。全産業の所定外給与と比べ(同8.6%減)、製造業は落ち込みが目立っている。世界的なIT不況や同時テロにより、電気機械、半導体などの生産が大きく落ち込み、所定外労働時間(残業時間)を減らしているのが原因である。
(2) 4大銀行年初来安値(12/11) **
10日の東京株式市場で、4大銀行グループの株価がそろって年初来安値を更新した。株式市場では、取引先企業の経営破たん増加や、デフレにより、想定以上の不良債権処理を行った場合は、減資による株主責任を問われるリスクがあるとの見方も出ている。現在、銀行株には、積極的な買い手が見当たらない状況である。
(3) 市場での国債発行来年度100兆円超(12/11) ***
財務省によると、2002年度の国債発行について、新規発行分と満期償還を迎えた国債を借り換える「借換え債」などの合計が、初めて100兆円を突破するとの試算を示した。借換え債の発行が10兆円増加するのが、主因である。試算では、借換え債が70兆円、新規国債は首相の公約どおり30兆円、そして財政投融資の原資である「財投債」の発行が10兆円である。今年度補正後は、約91兆円であった。今後、長期金利の上昇圧力となりそうである。
(4) 日銀短観4期連続悪化(12/13) ***
製造業の業況が、全面的に悪化してきた。日銀の12月の企業短期経済観測調査(短観) では、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、一段と悪化し、大企業製造業の15業種すべてがマイナスになった。大企業製造業はマイナス38と、9月の調査から5ポイント低下した。非製造業も業況は悪化しており、企業の冷え込みが一層進んでいる。
(5) 円売り進み3年ぶりの安値(12/15) ***
14日の東京市場で、円相場は、青木建設の破綻を機に金融システムへの懸念が浮上し、98年10月以来の1ドル=127円半ばまで急落した。円安は、輸出企業の収益押し上げや、輸入物価の上昇を通したデフレ効果が見込める。海外からも「日本経済の特効薬」との見方が出ていたが、14日の急落は「信用リスクへの警鐘」の局面転換の可能性もある。塩川財務相も「ちょっとテンポが速いな」とこれまでの容認姿勢とは異なるニュアンスの言葉であった。
(1) アメリカ0.25%追加利下げー今年11回目・年間最多(12/12) **
アメリカ連邦準備理事会(FRB)は、短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)の金利の誘導目標を0.25%引き下げ、年1.75%とすることを決め、即日実施した。年初から11回目の利下げで、利下げの累計は4.75%に達した。同時に、公定歩合も同幅下げ、1.25%とした。FRBは、また「景気配慮型」の政策運営を継続していくことを決めた。
(1) 郵便2003年にも民間に開放(12/13) *
総務省は、国営郵政公社を設立する2003年度にも、郵政事業を民間企業に全面開放する方針を固めた。封書・葉書きの集配サービスの国の独占を解消し、宅配便会社などがあらゆる郵便物を扱えるようにする。参入企業には全国配達の義務を課し、過疎地にもサービスが行き届くようにする。来年の通常国会に提出する日本郵政公社法案(仮称)に盛り込む予定である。