11月第2週(11/4〜11/10)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) 4大銀行グループ貸し出し資産8兆円切り離し(11/8) **
三井住友、UFJ、みずほ、三菱東京の4大銀行グループは、今年度中に、過去最大となる総額7〜8兆円程度の貸し出し資産をバランスシート(貸借対照表)から切り離す。これは、不良債権処理などによる自己資本比率(資産に対する自己資本の比率)の低下を防ぐためである。各グループは、経営の健全さを投資家に示すためにも、同比率を10%以上にする必要があるとみている。
(1) 欧州中央銀行(ECB)0.5%利下げ(11/9) **
ECBは、8日の定例理事会で最重要政策金利の市場介入金利(買いオペ金利)を0.5%下げ、年3.25%とすることを決めた。同時テロで、日米欧同時不況の懸念が高まっているためである。アメリカに続き、欧州も積極的な金融緩和に転換した。
(2) ASEANプラス3首脳会議(11/6) **
東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本、中国、韓国は、5日「ASEANプラス3」首脳会議を開き、将来の東アジア自由貿易地域の必要性や、テロ根絶に向けて各国が取り組むことを内容とした議長声明を採択して閉幕した。将来の東アジア自由貿易地域構想は、実現は即座ではないにしても、域内経済活性化のために不可欠との認識を確認した。
(1) 通信参入−電力・鉄道の回線開放義務(11/7) *
総務省は、電力など独占的な公益事業会社が、本格的な通信事業(第一種電気通信事業)へ参入する時の新たな許可基準を年内にも作成する。独占的な地位の乱用を防止し、幅広い通信事業者による多様なサービス事業の確保のためである。基準案は、次のとおりである。
a.通信網の他事業者への公平な開放を義務付ける。
b.電柱などの利用料、回線敷設までにかかる日数など諸条件を自社利用と同じにする。
c.本業部門と通信部門との会計の分離。
d.本業収益を使った通信事業への内部補助の禁止
e.本業との一体割引サービスなど、本業との一体営業禁止。
(1) 温暖化ガス排出権取引―EU規制案に日本警戒(11/5) *
温暖化ガスを排出できる権利を企業が売買する排出権取引きに関して、企業別に排出量の上限を決めるという、EUがまとめた厳しい域内統一規制案に、日本が警戒感を強めている。域外国にも、同様の規制を求めているからである。同規制案は、加盟国が毎年企業別に排出量枠を設け、枠を超えて排出した企業に1トン当たり100ユーロ(約一万一千円)の罰金を科す仕組みである。罰金が高いため、枠が不足する企業と余る企業との間で、売買が活発になることを期待している。これに対して、日本は、企業に罰則を設けることには消極的であり、業界団体が自主的に排出枠を設けることを検討している。排出権の主な購入者は、EUと日本になる見込みで、EU案が浸透することに日本は懸念を強めている。