4月第3週(4/14〜4/20)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) 米S&P日本国債格下げ(4/16) **
アメリカ格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ社は、日本の長期国債格付け、を「ダブルA」から「ダブルAマイナス」へ一段階引下げると発表した。格下げの理由は、次のとおりである。
第一に、日本の財政赤字が高水準で推移している。
第二に、金融庁の大手銀行に対する特別検査が、不良債権問題の解決に不十分である。
第三に、政府は、年金や医療保険の支出削減や農業、小売り分野の市場開放に後ろ向きである。
(2) 製造業稼働率底入れ感(4/18) ***
製造業の工場稼働率に底入れ感が出て来た。経済産業省によると、2月の製造工業稼働率は、91.3(95年=100)と前月比2.7%上昇し、3ヶ月連続で改善した。半導体や自動車など輸出関連産業で生産が上向いているためで、残業時間を延ばす企業も出ている。また、生産設備の縮小や廃棄が進んでいることも背景にある。経産省によると、2月の生産能力指数は、前月より0.2%低い93.9となり、89年10月の水準に戻った。しかし、フル稼働にはまだ程遠く、設備投資拡大にはつながっていない。
(3) IMF、日本に強い懸念(4/19) ***
国際通貨基金(IMF)は、「世界経済見通し」を発表した。デフレから抜け出せない日本経済に強い懸念を表明し、日本政府に今年度補正予算の編成を求め、不良債権処理のため金融機関への公的資金の注入も考慮すべきであるとしている。日銀には、デフレが続く場合には、一段の金融緩和を実施すべきであるとした。世界経済見通しは、19日からのG7のたたき台となる。世界景気の回復により、アメリカなど主要国の成長率予想は軒並み上方修正されたが、日本だけ景気低迷が続いているという判断である。
2002年 | 2003年 | |
アメリカ | 2.3% | 3.4% |
日 本 | −1.0% | 0.8% |
ドイツ | 0.9% | 2.7% |
イギリス | 2.0% | 2.8% |
主要先進国 | 1.5% | 2.8% |
中 国 | 7.0% | 7.4% |
世界全体 | 2.8% | 4.0% |
(1) 東電、北海道でも供給(4/20) *
東京電力は、子会社を通じ夏から北海道で分散型電源を活用した低コストの電力販売に乗り出す。第一弾として、イトーヨーカドーの2店舗に供給する。この2店舗は、北海道電力から購入するより、15%程度コストを低減できる見込みである。既に、東北などにも進出しており、今後は九州でも展開する予定である。地域を超えた電力会社間の顧客獲得競争が激化する。
従来の発電所に比べ、投資が桁違いに小さく効率も高い分散型電源市場は、年率二桁ペースで急成長している。電力分野でも、コンピューターと同様の「ダウンサイジング」が進みそうな気配である。