8月第5週(8/25〜8/31)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) 贈与税の非課税枠(8/28) *
個人が無償で譲り受けた財産にかける贈与税で、税額を計算するときに、財産額から差し引ける額のことである。基礎控除と呼び、現行は110万円である。ただし、住宅取得資金の贈与については、特例として非課税枠を550万円にしている。生前贈与を使い相続税負担を逃れる行為を防ぐため、贈与税の負担を相続税より重くしている。しかし、高齢者の金融資産を現役世代に移し、住宅投資の増加につなげるためにも、税制改革では生前贈与の拡大が課題となっている。
(2) 介護保険料11%引き上げ(8/29) **
厚生労働省は、来年4月に改定する65歳以上の介護保険料が、全国平均で月額3241円になるとの見込みを発表した。現行より、11.3%の負担増となる。高齢者の増加などで介護サービスの利用が増えるためである。厚労省は、介護保険収支が悪化した市町村を財政支援し、保険料の上昇を抑える方針である。介護保険は、利用者負担(1割)を除いた給付費の5割を公費、33%を40〜64歳の保険料、17%を65歳以上の保険料で賄っている。65歳以上の保険料は、各市町村で提供する介護サービスの量に応じ3年ごとに見直している。
(3) 公団・事業団、借金102兆円に(8/31) **
政府系金融機関を除く23の特殊法人が、民間の会計基準に準拠した2001年度の財務諸表を公表した。借入金など債務の合計は、前年度末より1兆円以上増え102兆円に達した。本業の収支は、合計2兆3千億円の黒字であるが、その1.8倍近い投資を実施しており、肥大化に歯止めがかかっていない。そのため、最終損益は23法人中13法人が前年度より改善したが、全体では1兆7千億円の赤字となっている。
日本道路公団は、前年度を上回る4752億円の最終利益となり、本業の収支も1兆円の黒字となった。しかし、1兆7千億円超の建設投資を続けたため、政府から3千億円強の出資を受けながら、有利子負債が4千億円以上増えている。本州四国連絡橋は、利払いが料金収入を上回っている状態が続いており、債務超過額は前年度末の6200億円強から6700億円弱に拡大した。
(1) アルゼンチン、対IMF交渉に暗雲(8/25) **
アルゼンチン政府が、債務者保護策を強めたのに続き、最高裁判所は公務員給与の減額を意見と判断し、IMF(国際通貨基金)との支援交渉の行方に暗雲が立ち込めてきた。IMFが求める金融システムの正常化や緊縮財政政策の実現が遠のいているためである。ラバニャ経済財政相は、債務者の資産差し押さえやインフレ率に連動した返済金額の増額を凍結する法案に、IMFが難色を示していることを明らかにした。また、最高裁の判決も、同相は、IMFとの交渉に悪影響が出る可能性を示唆した。
(2) 欧州金融16グループ6月中間決算、増益は2グループのみ(8/27) ***
欧州の主要金融16グループの今年6月中間決算は、14グループが減益または赤字に転落した。純利益が前年同期より増えたのは、オランダ最大手のINGと英銀二位のロイヤル・バンク・オブ・スコットランドの二グループにとどまった。低金利の下で資金調達コストが低下したにもかかわらず、大半が減益となったのは、不良債権処理のためである。また、世界的な株安も打撃となった。経済の回復が遅れているドイツ勢の不振が顕著であり、新たな金融再編も取りざたされている。
GDP | 1.1% |
個人消費支出 | 1.9% |
民間設備投資 | −2.6% |
民間住宅投資 | 2.3% |
民間在庫投資 | − |
純輸出 | − |
輸出 | 12.3% |
輸入 | 22.8% |
政府支出 | 1.4% |
[寸評] 個人消費の伸び悩みと貿易赤字の 拡大で、年率5%成長であった1〜3月期より 成長が鈍化した。 |