12月第2週(12/8〜12/14)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 間接税の役割(12/8) ***

 直接税と対になるのが、間接税である。納税方法の違いが、直接税と間接税の相違である。実際に税を負担する人が納めるのが直接税である。一方、スーパーなどの事業者が消費者などの納税者に代わって納めるのが間接税である。間接税の代表は消費税である。消費者が商品の5%を店に払うので、負担するのは消費者であるが、これを経営者が預かり、後に国へ納める。このように、担税者と納税者が分けられるのはなぜかというと、個別のものやサービスにかかる消費税の場合、誰が何を買い、税をいくら納めたのかを調べていたら手間がかかるため、事業者ごとに一括して納税する仕組みにしているのである。

 直接税や法人税などの直接税は、税収が景気に左右されやすく、税収が不安定になる傾向がある。そこで、安定財源を確保するために、消費税の導入が図られたといえる。日本は、間接税が税収全体に占める割合が約3割である。先進国の中では、アメリカに次いで低い。

 消費税以外の間接税として、物品税がある。これは、商品ごとに異なる税率でかけるもので、消費税導入時に基本的に廃止されたが、酒、たばこ、石油製品にかかる間接税は、いまも残存している。

 日本の現在の財政悪化の下で、いずれ増税は不可避であるという見方がある。所得が多いほど税額が増える直接税を大幅に上げると、労働意欲をそぎ社会の活力が低下しかねないところがある。そのため、消費税などの間接税引き上げの動きが出ているのである。


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(2) 先行減税1兆8000億円―来年度税制改正大綱決定(12/14) **

 日銀が発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)では、代表的な指標である大企業製造業の業況判断指数(景気が良いと答えた企業の割合から悪いと答えた企業の割合を引いた値)は、今後3ヶ月の見通しが2001年3月以来7期ぶりに悪化した。輸出や生産の伸び悩みを受け、景気は来年春にピークを迎えるとの声が増えている。

 足元の景況感を示す12月時点での同指数は、マイナス9で三期連続で改善した。しかし、依然マイナスであり、今回マイナスのまま悪化に転じれば、約27年ぶりとなる。また、マイナスが続く設備投資は、三期連続で下方修正となり、金融機関の貸し出し態度判断指数も、大企業、中小企業とも先行きは大幅悪化が見込まれている。


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[世界経済]

(1) 中国、対日輸出アメリカ抜きトップに(12/12) ***

 中国が、日本の輸入相手国として、2002年にアメリカを抜きトップになることが確実となった。中国へ進出した日系企業がパソコンなどの製品を生産し、日本へ逆輸出していることが影響している。このような中国からの機械製品の輸入が、今年は衣類など繊維製品をはじめて上回る。一方、中国向け輸出も、今年は前年比3割増のペースである。中国のWTO加盟からちょうど一年が経ち、日本は、日米貿易中心から、日米中貿易を中心とする時代に入ったといえる。


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(2) 中国の市場開放、アメリカが懸念(12/13) *

 アメリカ通商代表部(USTR)は、WTO加盟後の中国の市場開放策について初の報告書をまとめた。それによると、WTO加盟後の一年の中国の市場自由化は、全体としてはかなりの進展があるとし評価した。しかし、アメリカ企業の関心が高い金融・保険、流通などのサービスや農業については、公約実施が不十分であると警告している。外国製品の模倣品横行や行政手続きの不透明さにも問題が多いとし、中国に改善を強く求める方針を示した。今後、中国の対米製品輸出が強まれば、摩擦は強まりかねない。


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[環境問題]

(1)アメリカの環境政策、産業界寄り一段と(12/12) **

 ブッシュ政権は、2001年の政権発足時から、エネルギー業界などの意向を環境政策に反映させる傾向があった。昨春の京都議定書からの離脱はその典型であった。そして、11月の選挙で共和党が上下両院で制すると、その傾向に拍車がかかり、アメリカ環境保護局は、同月22日、発電所や工場の排ガス規制緩和策を発表した。これは、コストを抑えたい電力会社の意向そのものであった。

 上下両院を共和党が制した現在、環境保護団体の間では、産業界に厳しい環境規制の内用を含む法案は、ことごとくつぶされると危ぶまれている。


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[知って得する数字―東アジア各国の実質GDP成長率(%)]

99年 2000年 2001年
中国 7.1 8.0 7.3
香港 3.4 10.2 0.6
台湾 3.9 4.0 −1.6
韓国 10.9 9.3 3.0
シンガポール 6.9 10.3 −2.0

[寸評]各国とも、99年から2000年にかけ成長が拡大し、2001年に鈍化している。特に、台湾とシンガポールは、2001年にはマイナス成長となっている。そのなかで、中国の高成長が際立っている。


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