2月第2週(2/3〜2/9)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) 国債シンジケート団は廃止の方向へ(2/3) *
財務省は、金融機関が国債をまとめて買うシンジケート団制度を二段階で廃止する検討をすることになった。入札による国債発行の割合が高くなり、35年続いているシ団の役割が薄れたと判断した。今秋のシ団の購入比率を現在の四割から二割へ引き下げ、2003年度中の廃止を目指す。欧米では既にすべての国債が入札によっており、国債市場の透明性を高める意図がある。
(2) 2001年国内パソコン出荷3年ぶり前年割れ(2/4) ***
2001年の国内パソコン出荷台数は、前年比7.1%減の1229万5000台で3年ぶりの前年割れとなった。特に、個人客が大半の店頭販売は、14.3%減と不振であった。そのなかで、ソニーの「バイオ」は、若年層の支持を集め、一人勝ちとなった。ソニーの法人向けを含むシェアは10.3%となり、日本IBMを抜き、3位となった。一方、法人向けは堅調で、店頭販売と明暗を分けた。企業の需要が根強いのに加え、パソコンがあまり普及していなかった自治体や学校などの購入が増えた。
(3) 日経平均9500円割れ(2/6) ***
5日の日経平均株価は、昨年9月17日のバブル崩壊後の安値9504円41銭を下回った。終値は、9475円60銭と、83年12月以来の18年ぶりの安値となった。この日、債券市場でも、新発10年物国債利回りが、1.35%まで上昇し、約1年ぶりの高水準をつけ、株・債権同時安の展開となった。2002年3月期の業績下方修正が相次いでいるハイテク企業の成長力を疑問視する投資家も多く、この日、東芝、NEC、富士通が、そろって昨年来安値を更新した。外国人投資家の売り圧力だけでなく、3月決算期を前にした金融機関などの株式持合い解消売り圧力が増している。
(4) 生産移転中国へ4割(2/7) ***
経済産業省によると、日本の製造業の7社の1社が、生産拠点の海外移転を過去数年間に実施したか、具体的な計画を持っていることが分かった。また、その4割が、移転先に中国を選んでおり、高額ハイテク製品にも現地生産が広がっている。コスト競争のための海外移転が、安価な製品の輸入につながり、デフレを加速しているパターンとなっている。
(5) 住宅金融公庫5年後廃止、銀行市場争奪へ始動(2/9) *
政府が住宅金融公庫の廃止を打ち出して、民間銀行がその空白を埋めようと動き始めた。焦点は、4月にもスタートする公庫保証つきの共同ローンの販売である。この共同ローンは、銀行と公庫が相乗りの形で、住宅取得額の8割までを個人に融資し、返済不能となった場合には、公庫が民間の融資分を全額保証する仕組みである。銀行の融資を受けにくい利用者も、借り入れをしやすくする効果がある。来年度予算では、公庫が最大7千億円の民間融資を保証できる枠を確保しており、全額が埋まる予定と公庫は言っている。
(6) 2001年の消費支出1.8%減−9年連続減少(2/9) **
総務省によると、2001年の全世帯家計調査では、1ヶ月平均の消費支出が30万8692円となり、実質で前年比1.8%減少した。9年連続の減少である。食費、住宅費など生活に密着した支出が落ち込んだ。雇用、所得環境の悪化が主因である。
(1) アルゼンチン変動相場制へ明日にも移行へ(2/5) **
アルゼンチン政府当局は、現行の固定制と変動制の二重為替制度から変動制への一本化を6日にも実施することを明らかにした。1ドル=1.4ペソの公定固定相場は廃止する。貿易決済にも変動性を採用するが、中央銀行への事前申請を義務付けるなど、ペソの暴落を避ける制限を設ける考えだ。現在、外貨準備高も十分とは言えず、当面は銀行窓口の両替業務を停止し、両替所だけに限定する方針である。変動制とはいえ、中央銀行による規制を強化し、ペソ安回避に全力を挙げる方針である。
(2) 新ラウンド農業分野が始動(2/5) *
WTOの新多角的通商交渉では、個別分野では初めて農業交渉グループが始動した。来年3月末に関税引き下げや補助金削減など自由化の大枠の決定をめざし、調整に入った。コメ関税率をできるだけ高く維持し、最低輸入義務(ミニマムアクセス)数量削減を目指す日本は、性急な自由化には強く反対する方針である。
(3) 欧州雇用低迷続く(2/7) ***
欧州の雇用情勢の悪化が続いている。2001年は、ドイツやフランスなどの主要国の失業率上昇が顕著で、2002年も改善する見通しは立たない。大手企業には、人員削減を打ち出すところも多く、生産拠点を中・東欧に移転する「空洞化現象」が主要国で起き始めている。なお、ドイツ政府発表によると、1月の失業者数は428万9900人と前月比32万6400人の大幅増となった。これは、2年ぶりの高水準である。また、失業率は、10.4%と約1年ぶりに二桁となった。