2月第3週(2/10〜2/16)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) 2001年の国際収支経常黒字11兆円程度に減少(2/7) ***
財務省によると、2001年の経常収支黒字は、96年以来の低水準である11兆円程度となり、2年ぶりに減少する。貿易収支黒字が、大幅に減少したことが主な要因である。昨年の円安は、この黒字減少が一因といえる。項目別には、貿易収支黒字は、IT関連輸出の減少により、前年比3割減の約8兆円程度である。一方、海外への投資による配当や利子などの所得収支黒字は、約4割増の約9兆円になり、貿易収支黒字を上回る。
(2) 月例経済報告―景気悪化据え置き(2/14) **
竹中経済財政担当相は、2月の月例経済報告を提出し、景気は悪化を続けているとの見方を示し、基調判断を3ヶ月連続で据え置いた。個人消費や設備投資などの判断は、前月から変えなかったが、生産については、「減少テンポが緩やかになっている」に上方修正した。昨年10〜12月期の鉱工業生産の減少幅が縮小したことを反映した。IT関連などは、大幅な減産で在庫調整が進展し始めている。
(3) 不良債権処理、首相が金融相に指示(2/15) ***
小泉首相は、柳沢金融相に、以下の6項目の金融システム安定化策を指示した。これにより、金融庁は、巨額債務を抱えた経営不振企業向け融資に的を絞った銀行への特別検査を厳格に進め、検査結果を公表する。首相は、銀行が自己資本不足に陥り、金融システムが混乱した場合は、公的資本による銀行への再注入を検討する考えである。
1. 大口債務者企業向け融資融資の厳しい特別検査の実施
2. 特別検査の結果の公表
3. ペイオフ解禁に向け預金者などによる不安が生じないように万全の対応をとる。
4. 整理回収機構による不良債権の買取の促進
5. 株式市場で不正な空売りや信用取引を防ぐため監視を強める。
6. 銀行等保有株式取得機構による持合い株買い取りの仕組みを活用する。
(1) アメリカの景気後退の長さ平均的(2/12) ***
昨年3月からの景気後退(リセッション)は、今年1〜3月期には底を打ち回復に向かうとの見方が大勢となってきた。長期化予想の多かった今回の景気後退は、従来並みの期間で終了する公算が高まっている。最近になって、景気後退終了説が急速に強まっているのは、昨年10〜12月期に四半期として過去最高の1200億ドルの在庫圧縮が進み、売上に対する在庫の比率が過去最低の水準に低下したからである。今後は、在庫積み増しが始まり,生産が増えると見られる。
(1) 京都議定書日本に黄信号(2/6) **
京都議定書は、日本がCO2などの温暖化効果ガスを2008〜2012年までに90年比で6%減らすことを求めている。達成できなければ、罰則もある厳しい内容である。日本は、2000年時点で、既に90年より6.8%増えた。このままでは、2010年には同8%増になる見込みで、森林吸収分の3.7%を除く実質10.3%をこれから削減しなければならない。日本の目標達成には、早くも黄信号がともっている。政府は、今国会に「京都議定書」を批准承認案を提出する構えであるが、産業界は経済活動を縮小させると具体的な割当に猛反対である。市民レベルの危機意識も薄く、省庁間の駆け引きもあり、頼れるけん引役がいないのが現状である。
(2) 温暖化ガスーアメリカが京都議定書に代案(2/15) *
ブッシュ大統領は、14日に昨年離脱した温暖化防止京都議定書の代替案を発表する。アメリカの代替案は、GDPを一定量引き上げる際に排出するガスの量を徐々に減らしていくものである。2012年にGDPを百万ドル引き上げる際の排出量を、現在の183トンより151トンに減らす目標を設定する。90年比で、温暖化ガスの排出の絶対量に上限を設け、削減を義務付ける京都議定書とは大きく異なる。温暖化ガス排出量は、現在のペースで増えつづけた場合に比べ、10年間で計5億トン少なくなる。
(1) 出生率は、低下傾向(2/6) **
出生率とは、一人の女性が生涯に生むと予測される子供の数である。15歳から49歳までの35年間が女性の出産可能とされ、各年齢の女性が1年間に生んだ子供の数をその年齢の女性数に対する比率として算出し、年齢別に35個すべてを加える。その年の出産パターンで子供を産んでいくと仮定したときに、一人の女性が生涯に生む子供の数である。出生率は、5年前の1.61から1.39へと大幅に低下した。女性の晩婚化、非婚化が進んでいることや、結婚をしても子供を産まない女性が増えていることが背景にある。出生率が低下すると、高齢化が進み、少ない若年人口で高齢者を支える形になるため、公的年金制度、医療保険や介護保険が制度を変更しない場合は、立ち行かなくなる可能性がある。