7月第4週(7/21〜7/27)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 持ち株会社とは何?(7/21) **

 持ち株会社は、複数の会社の株式をもつ。自ら事業活動をしない場合を、特に純粋持ち株会社という。一社の組織に例えると、持ち株会社は企画・管理部門、傘下のグループ会社は製造・販売など各事業部門にあたる。持ち株会社は、司令塔としてグループの経営計画を立て、全体の利益が最大になるように人や資金を各企業に配分し、実際に仕事をするのは各企業で、収益も個別に管理する。持ち株会社は、利益が上がらない企業を売ることもできる。戦前は、三菱,住友など財閥本社が、持ち株会社を作り、金融など基幹産業を直接支配し、政治にも大きな影響力を及ぼしていた。このため、戦後は独占禁止法第9条で、禁止されていた。しかし、近年国境を越えた企業の競争が激しくなり、産業の効率化や活性化に役立つと考えられたため、経済界から解禁を求める声が高まってきた。そこで、97年に独禁法を改正し、半世紀ぶりに設立が解禁された。これまで、設立されたのは、16社である。多くは、銀行や証券など事業区分の垣根を越えた再編が加速する金融機関である。今後は、様々な事業を営む電機や商社でも、導入が本格化すると見られる。


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(2) IT不況(7/24) ***

 1990年代に、各国政府が情報技術(IT)産業の育成を図ったが、企業の過剰投資や景気減速などで失速した。日本では、NECや富士通などが2002年3月期決算で上場以来初の営業赤字に転落するなど、厳しい状況が続いている。最近では、アメリカの大手通信会社ワールドコムが破綻し、IT企業が多く上場するアメリカ店頭株式市場(ナスダック)が急落するなど、パソコンをはじめとする各国のIT景気は不透明感が強くなっている。


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(3) 貿易黒字上期56%増加(7/24) ***

 財務省によると、2002年上半期(1〜6月)の貿易収支黒字は、前年同期比56.8%増の4兆9800億円で、前年水準を上回った。アジア向け中心に輸出が1.6%伸び、輸入は景気低迷を反映し6.5%減となった。しかし、ここにきて円高・ドル安が一段と 進んでおり、今後は輸出の鈍化が予想される。   注:貿易収支・・・以下のように、国際収支のうちの経常収支の一部である。

      [国際収支表]
 (1) 経常収支
  a.貿易サービス収支
      ア. 貿易収支・・・財の受け取りと支払いの収支
      イ. サービス収支・・・サービスの受け取りと支払いの収支 
  b.所得収支・・・投資収益の受け取りと支払い収支
  c.経常移転収支・・・送金、消費財の援助の受け取りと支払いの収支

 (2) 資本収支
  a.投資収支
      ア. 直接投資・・・支店の設置と拡張、外国法人の株式の10%以上の取得
      イ. 証券投資・・・株式・債券投資
      ウ. その他投資・・・貸付,借り入れ、現・預金等
  b.その他資本収支
      ア. 資本移転収支・・・資本財の援助

 (3)外貨準備増減・・・経常収支+資本収支


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(4) 昨年度財投6兆円使い残し(7/26) **

 2001年度に計画した財政投融資のうち、使い残した不要額が計画の3割近い8兆7037億円に上ることが明らかになった。民間銀行の住宅ローンの拡大で、住宅金融公庫が約6兆円を使い残した。巨額の使い残しは、財投資金を使う特殊法人の役割が薄れたことを示し、改革の加速を求める声が強まりそうだ。


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(5) 医療費の自己負担重く(7/27) ***

 サラリーマンの医療費自己負担は、現在本人は入院・外来とも2割、家族は外来が3割、入院が2割である。これが,来年4月からはすべて3割となる。本人は、入院・外来とも1.5倍となり、家族は入院時の負担が1.5倍となる。一方、外来窓口で定率負担に上乗せして支払う薬剤費の一部負担は廃止される。自営業者など国民健康保険の加入者は、すでに3割負担であるため、負担割合は変わらない。薬剤費の一部負担が来年4月になくなるのは、サラリーマンと同じであるので、自己負担は軽くなる。厚生労働省の試算では、風邪で月2回診療所に通った場合、サラリーマン本人の自己負担は、1530円となり510円の負担増である。一方、サラリーマンも自営業者も、高額の医療費がかかった場合、自己負担は現在より増える。


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[世界経済]

(1) 財政赤字EUに暗雲(7/27) ***

 欧州連合(EU)で、加盟国の財政赤字が深刻な問題となっている。ポルトガル政府は、2001年の財政赤字がGDP比で4.1%になり、ユーロ参加国に義務付けられた上限の3%を上回ったと発表した。ユーロ圏の「安定・成長協定」は、参加国が順守義務に背いた場合に、最終的に制裁を発動する手続きを定めており、EUはこれに沿った措置を進める。EUの赤字削減の求めに対して、有効な対策を講じなければ、制裁としてGDP比0.5%を上限とする無利子の供託金を検討する。  ソルべス欧州委員は、ドイツ、フランス,イタリアの財政赤字も批判している。赤字がGDP比の3%に近づくことがあれば、警告を出すことを示唆した。ドイツ,フランスとも今年はGDP比3%に近づく見通しである。EU加盟国は、3%の順守義務とともに2004年までの財政均衡を申し合わせているが、実現性への疑問は強まる一方である。


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