7月第5週(7/28〜8/3)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) ODAとは何?(7/28) ***
ODAとは、政府開発援助のことで、先進国の政府が途上国の経済開発や福祉向上のために、お金や技術を提供することである。なぜ途上国への援助が必要か。日本の援助で、途上国の経済が安定すれば,軍事的侵略を受ける脅威が少なくなり、安全保障に役立つ。また、途上国の経済が発展すれば、日本製品の輸出先となり、日本経済にとり利益が大きい。また、イメージアップにもつながる。
日本は敗戦後ODAの受け手でしたが、復興が進んだ1954年に初めてODAを提供した。日本の援助は、当初技術協力が中心であった。70年代には、財政に余裕が出てきたため、資金協力が援助の中心になった。80年代には、援助を拡大し、89年にODAの額がアメリカを抜いて世界一になった。しかし、90年代に、財政が危機的状況となり、ODA予算は減少し、今年度は3年連続前年比減少となった。苦しい財政の中で援助を行う以上、効果的な援助を行う必要が強まっている。
[日本のODAと2002年度予算額−合計9106億円] 1.二国間援助 a.無償資金協力 2321億円 b.技術援助 3415億円 c.有償資金協力 2191億円 (円借款) 2.多国間援助−国際機関への出資や拠出 1180億円
(2)40兆円普通預金に避難(7/29) ***
今年4月のペイオフ解禁をきっかけに、40兆円をこす資金が定期預金から、依然として全額保護の普通預金に避難している。来年4月に、普通預金もペイオフの対象となる全面解禁を前にして、別の金融機関や金融商品へ移り始めた預金もある。
日銀によると、残高が1千万円以上ある大口の定期預金の5月末の残高は、93兆円で,前年同期比42兆円も減少した。一方,千万円未満の定期預金は横ばいであった。ペイオフ解禁で、1千万円未満しか保護されなくなり、預金者が定期預金を1千万円以内に減らした様子が見て取れる。定期預金が流出した先は、普通預金である。国内の普通預金など要求払い預金の5月の月中平均残高は、約237兆円となり、初めて定期預金を上回った。
注:ペイオフ・・・預金などの払い戻し保証額を元本1千万とその利息までとする措置である。
(3)決済性預金の保護検討(7/31) ***
政府は、来年4月のペイオフ解禁を前にして、特例として当座預金など決済だけで利用する預金の全額保護を検討する。小泉首相が、柳沢金融担当相に30日、決済機能の保護を指示した。個人向けにも全額保護の対象となる決済専用新型預金が現れる可能性がある。
注:ペイオフ解禁・・・既に、普通預金以外は、今年4月から解禁となっており、来年4月から普通預金も解禁となる予定である。
(4)路線価10年連続下落(8/2) **
国税庁によると、2002年分の相続税や贈与税の算定基準となる路線価(1/1現 在)は、平均で前年比6.5%下落し、1平方メートル当たり12万9千円で、10年連 続で前年を下回った。都道府県別では、下落率が縮小したのは,前年の20都道府県か ら10都道府県に減った。一方、拡大したのは、24県から34道県に増え、全体とし て落ち込み傾向となっている。
(1) アメリカ4〜6月期1.1%成長に急減速(8/1) ***
アメリカ商務省によると、今年4〜6月期の実質GDP成長率は、1〜3月期に比べ1.1%増(速報値)となり、1〜3月期の前期比5.0%増に比べ、大きく減速した。個人消費の鈍化と貿易赤字の拡大が主な要因である。平均的な予測の2%前後を下回っており、先行き不透明感が顕著となっている。
[2001年以降のアメリカの実質GDP成長率(%、前期比)] <2001年> 1〜3月期 −0.6 4〜6月期 −1.6 7〜9月期 −0.3 10〜12月期 2.7 年 間 0.3 <2002年> 1〜3月期 5.0 4〜6月期 1.1(速報値)
(2) 中南米金融不安深刻に(8/2) **
アルゼンチンに端を発した中南米の金融不安が深刻さを増している。ブラジルの通貨レアルは、1ヶ月間で18.7%下落した。下落の主な要因は、10月の大統領選で野党候補が一位の支持率を維持していることである。同候補は、IMFの緊縮財政政策に同調していない。市場では、政権交代によりGDPの5割を超える公的債務の返済が滞るとの見方が強い。
一方、ウルグアイは、アルゼンチン危機の影響を直接受けている。主因は、アルゼンチンの富裕層が、保有しているウルグアイの口座や、アルゼンチンの金融機関のウルグアイ支店から、預金を引き下ろしに殺到しているためである。ウルグアイ全体の銀行の預金残高は、年初来3割以上目減りし、全銀行が営業停止に追い込まれた。
アメリカ政府は、危機の連鎖を受けて、積極的な支援姿勢に転じ始めている。