6月第4週(6/16〜6/22)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 銀行の自己資本比率とは何?(6/16) ***

 銀行の自己資本比率は、次式で示される。

自己資本比率=自己資本/資産

 資産とは、銀行の財産であり、企業への貸出、現金、保有する他の企業の株式、保有する国債などである。これらのうち、返さなくていいのが、自己資本である。銀行が株式の発行で集めた資金や、もうけたお金、払いすぎて将来もどる税金などが、これにあたる。逆に、預金などは、いずれ返す必要がある。比率の計算方法は、複雑である。銀行の資産は、種類により、いざというときに手元に戻る可能性が違うからである。このため、単に自己資本を資産全体で割るのではなく、安全度の高い資産が多いほど自己資本比率が高くなるように調整されている。例えば、通常の貸出、他の企業の株式は100%資産に組み入れられ、金融機関向けの債権は20%組み入れられ、現金、国債などは、0%である。自己資本は、経営が傾いたときに頼りになり、この比率が高いほど経営内容がよく、預金者への支払能力も高くなる。4月からのペイオフ施行後、この比率を気にする預金者が増えている。


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(2) 緩む政策、冷える株価(6/18) **

 17日の東京株式市場では、日経平均株価の下げ幅が、一時300円を超え、1万500円台に下落する場面も合った。同日の政府・与党による追加デフレ対策は、切迫感を欠き、税制改革論議は増税路線へと傾いている。構造改革の進展の遅さと、指導力を発揮できない小泉首相に、市場関係者のいら立ちが強まっている。


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(3) 夏のボーナス3年ぶり減少(6/19) ***

 日本経済新聞社による2002年夏のボーナス調査中間集計によると、一人当たりの支給額は73万6,518円と、昨夏比3.71%減少した。業績連動型を取る企業が増え、減額に拍車をかけた。減少幅は、99年夏の5.96%に次ぐ大きさである。業績が比較的堅調な自動車・同部品、造船は、昨夏を上回り、業種間格差が鮮明になった。


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[世界経済]

(1) WTO新ラウンド農産物輸出補助金、中国が撤廃を提案(6/21) **

 中国は、20日に終了した世界貿易機関(WTO)で、新多角的通商交渉(新ラウンド)の農業交渉で、輸出補助金の撤廃を提案した。一方で、自国の市場開放は、途上国を理由に防ぐ戦略のようである。EUなどが多用する農産物の輸出補助金は、農業交渉の大きな争点である。競争力に自信をもつアメリカやオーストラリアなども撤廃を求めている。中国は、WTO加盟交渉で先行して輸出補助金を撤廃させられた。今後の競争力確保のためには、先進国の輸出補助金の存在は死活問題である。


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(2) NY株続落、ドル全面安(6/22) ***

 21日のニューヨーク株式市場でダウ工業株三十種平均は、大幅続落した。企業収益の悪化懸念や会計不信が原因で、米店頭株式市場(ナスダック)総合指数も同時テロ後の安値に迫った。外国為替市場では、円相場が急騰し、1ドル=121円35〜45銭で終えた。市場では、IBMが業績見通しを下方修正したことから、企業業績の不透明感が強まり、ハイテク関連銘柄などが値を下げた。企業会計への不信感も根強く会計の不透明さが報じられた医薬品大手のメルクが売られた。


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[知って得する数字]

2001年の先進国の経済指標(%)
実質GDP成長率 失業率
日  本 −1.3 5.2
アメリカ 1.2 4.8
ユーロ圏 1.5 8.3
ドイツ 0.6 9.4
フランス 2.0 8.8
イタリア 1.8 9.5
イギリス 2.2 3.2

 寸評:2001年は、IT不況による世界的景気後退を反映し、各国とも低成長であり、特に日本はマイナス成長となった。日本、アメリカの失業率は、上昇傾向にあるが、依然として、ユーロ圏の失業率の高さほどではない。


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