6月第2週(6/2〜6/8)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) GDPの計算(6/2) *

 日本のGDPは、その額と伸び率が四半期ごとに発表されるが、どう計算するのだろうか。GDPは、各省庁がまとめる各種統計をもとに計算する。売ったものは買われるので、 理論上は供給側から見ても需要側から見ても、同じ数字になるはずである。四半期別GDP統計速報(QE)は、このため、個人や企業など需要側の統計を使い計算する。買う側には、 個人がモノなどを買う個人消費、住宅を買う民間住宅投資、企業が生産のために買う機械 などの設備投資がある。例えば、個人消費の計算には総務省が発表する家計調査を使う。

 ただし、需要側の統計によるGDPは、供給側の統計による数字とは、ズレが大きいとの指摘がある。そのため、内閣府は、早ければ、この4〜6月期のQEから早めに出る供給 側の統計も計算に使う予定である。発表時期も1ヶ月早める。他の先進国に比べ、発表が遅いと不評だったからである。


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(2) 景気一致指数、4月は77%に(6/5) ***

 内閣府によると、4月の景気動向指数速報値で、景気の現状を示す一致指数は77.8%となり、3ヶ月連続で判断の分かれ目の50%を上回った。3ヶ月連続で50%超えは、景気が谷を越え、拡大局面に入った目安とされる。先行指数と遅行指数も50%を超え、1年10ヶ月ぶりにそろって「上向き」となった。5〜6ヶ月先の動きを示す先行指数は72.2%で4ヶ月連続で50%を超えた。


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(3) 1〜3月期設備投資前年同期比16.8%減(6/5) **

 財務省によると、今年1〜3月期の法人企業統計により、全産業の設備投資額は前年同期比16.8%減の11兆553億円となった。減少は、二・四半期連続で、特に製造業の落ち込みが大きかった。設備投資の遅れから、景気回復の足取りの鈍さが予想される。


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(4) 1〜3月GDP4期ぶりプラス成長(6/7) ***

 内閣府によると、今年1〜3月期の実質GDPは、前期比1.4%増、年率換算では5.7%増となった。輸出が前期比6.4%の大幅な増加となり、個人消費も二期連続のプラスの伸びとなった。設備投資は落ち込んだが、全体では、四・四半期振りのプラス成長となった。しかし、2001年度の年間の実質GDP成長率は1.3%減で、98年度以来のマイナス成長となった。

 また、総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは、前年同期比0.9%のマイナスで、16・四半期連続で低下した。このため、名目GDPが実質GDPを下回る名実逆転は続き、依然としてデフレ傾向である。

2002年1〜3月期GDP増減率の内訳(前期比)
実質 名目
GDP 1.4 1.1
民間最終消費支出 1.6 0.9
民間住宅投資 −2.3 −2.4
民間企業設備投資 −3.2 −3.8
公的固定資本形成 4.1 4.6
輸出 6.4 8.1
輸入 −0.0 1.8


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[世界経済]

(1) 米失業率5.8%に低下(6/8) ***

 アメリカ労働省の雇用統計によると、失業率は5.8%となり、前月比0.2%低下した。非農業部門の雇用者数も、前月より4万1千人増えた。主に、サービス部門の雇用の増加による。アメリカの雇用情勢は、最悪期を脱した可能性は高いが、好転に向かっているかどうかの判断は、なお時間がかかるとの見方が大勢である。


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[競争政策]

(1) 電力取引、全国規模で(6/4) *

 経済産業省の総合資源エネルギー調査会電機事業分科会は、3日2003年度に創設する電力取引市場について議論した。新規参入企業を増やし、競争を促すため全国規模の取引市場とすることで意見が一致した。しかし、取引相手を匿名とするかどうかで委員の意見が対立し、結論を持ち越した。大手電力会社の委員は、相対で電力を融通しあう現在の制度を下敷きにした市場を作るべきであると主張し、取引相手の顔が見えることが必要であるとし、取引情報の開示などを求めた。


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(2) 電力取引適正化指針案を補足(6/4) *

 公正取引委員会と経済産業省は、新規参入企業に対する電力会社の行為が独占禁止法に違反するかを示す「適正な電力取引についての指針」を補足、充実する改定案を公表した。新規参入企業から購入する大口顧客に従来より高い料金を押し付けたり、供給を拒むことが問題になると明記した。7月2日まで関係者の意見を求めた上で成案をまとめる。


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