3月第3週(3/10〜3/16)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 上場企業の今3月期最終利益7割減(3/10) **

 日本経済新聞社によると、上場企業の全産業の予想最終利益は、前期比7割減となり、収益が一段と悪化する。IT不況やデフレにより、売上高が2%減るためである。株高が続けば、評価損が減る可能性があるが、リストラ費用がかさむ電機や鉄鋼が赤字になるのは確実である。しかし、2003年3月期は、コスト削減により4倍強の急回復が見込まれる。 

(注)最終利益:1年間の売上高からすべての経費を引いたものである。本業のもうけである連結営業利益に、金利支払いなどの金融収支と、人員削減のための特別退職金や土地の売却益など一時的に発生した特別損益を加えて、税金などを差し引く。株主に帰属する部分であり、配当や内部留保などの原資になる。90年代以降、リストラにより特別損失が増加しており、本業が好調でも、最終利益が低水準に留まるケースが多い。


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(2) 2000年度の全国銀行の不良債権処分損は6兆円(3/10) ***

 全国の銀行が2000年度に計上した不良債権処分損は、6兆1,076億円であった。96年度から5年間の累計は、47兆7,043億円である。2000年度の不良債権処分損のうち、貸倒れに備える貸倒れ引当金は2兆7,319億円、債権放棄・売却など不良債権を資産から切り離す直接償却は3兆717億円であった。地価下落など担保価値の下落により、直接償却などの最終処理により、損失を確定する必要があるとの見方が強まっている。


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(3) 月例経済報告の景気判断−1年9ヶ月ぶり上向き(3/15) ***

 政府は、月例経済報告関係閣僚会議を開き、3月の月例報告で「依然厳しい状況にあるが、一部に下げ止まりの兆しがみられる」との判断を示した。景気判断を上方修正する内容で、1年9ヶ月ぶりの上方修正となる。輸出や生産など、企業部門に改善の動きが見られ、景気の一段の悪化に歯止めがかかりつつあることを示した。


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[世界経済]

(1) ユーロ圏昨年10〜12月期9年ぶりマイナス成長(3/13) ***

 EU統計局によると、ユーロ圏の2001年10〜12月期の実質GDP成長率は、前期比0.2%減少し、9年ぶりのマイナス成長となった。ドイツは前期比0.3%減、フランスは前期比0.1%減となり、主要国の景気が低迷した。しかし、アメリカ景気の回復とともに、回復の兆しは出ており、ユーロ圏景気は10〜12月期に底入れしたとの見方が出ている。2001年年間では、前年比1.5%増と前年の3.3%増から大幅に鈍化した。

ユーロ圏の10〜12月期の実質GDP伸び率(%)
GDP −0.2
個人消費 0.1
設備投資 −0.8
政府消費 0.5
輸出 −0.9
輸入 −1.1


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(2) 中・東欧向け直接投資好調(3/14) **

 2002年の中・東欧向け直接投資が、過去最高の2000年の水準を回復する見通しとなった。安価な労働コストを狙った日米欧企業の進出が、加速している。主に、西欧市場向けの製品の供給基地として、EU経済圏の景気回復をテコに、今年、来年とも3〜6%台の経済成長率を持続しそうだ。なお、中欧五カ国とバルト三国は、2004年にもEUに加盟する予定である。

(注)中欧五カ国:ポーランド、チェコ、ハンガリー、スロバキア、スロベニア、バルト三国:エストニア、ラトビア、リトアニア


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[規制緩和・競争政策]

(1) 東電、代替電力4割引き下げ(3/11) *

 東京電力は、新規参入者の発電所が事故を起こしたときなど緊急時に電力を代替供給する契約について、4月から基本料金を約4割安くする。割高な料金(補填料)が新規参入を阻害しているとの批判に答える。公正取引委員会は、この料金の高さを問題視しており、他の電力会社が東電に追随する可能性もある。


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(2) 公取委、日航・日本エア統合に異議(3/15) **

 公正取引委員会は、10月2日に予定する日本航空と日本エアシステムの統合計画について、現状のままでは独禁法に違反する恐れがあると、二社に通知した。大手三社が国内線で9割に達する市場で、二社が統合すれば競争を妨げると判断した。統合により、新規参入者が著しく不利になる上、料金引き下げ競争をしなくなるという点を懸念した。この他、統合後のシェアが、羽田空港発着便で6割に達するほか、国際線に占める国内航空会社のシェアが8割となるため、独禁法に触れる恐れがあると認定したもようだ。


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