3月第4週(3/17〜3/23)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) マネー潤沢、銀行に滞留(3/19) *

 日銀が、政策目標を金利から「量的金融緩和」に転換して、19日で1年になる。この間、日銀の供給資金は急増したが、マネーは金融機関に滞留して、実体経済や、株式・不動産市場に向かっていない。金融システム不安に役立ったものの、景気浮揚とまでは行かず、デフレの克服には至っていない。


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(2) 銀行の株式含み損が大幅に縮小(3/20) ***

 銀行の株式含み損とは、銀行が保有する株式の時価と取得簿価の差である。2001年9月期の株式含み損は、大手13行で計3兆5000億円に達したが、最近の株価上昇で大幅に圧縮された。19日の株価では、1兆2000億円程度まで減ったとの見方もある。含み損の6割が、資本勘定の剰余金から差し引かれる。剰余金は配当の原資となるために、含み損が増えれば配当が難しくなる。しかし、株式の含み損が減少したため、大手行の国が保有する優先株の今3月期の配当を、辛うじて維持する見通しである。ただし、普通株では、減配または無配が相次ぐ見通しである。

(注)優先株:大手銀行は、98年と99年に公的資金の注入を受けたときに、議決権のない優先株を国に買い取ってもらった。そのとき、優先株の配当が出来なくなったとき、政府に議決権が発生する仕組みにした。


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(3) 政府、鉄鋼セーフガードでアメリカを提訴(3/21) **

 アメリカ政府は、鉄鋼製品への緊急輸入制限(セーフガード)を発動した。日本政府は、WTOの協定違反であるとして、20日WTOに提訴した。これは、輸入の増加が国内産業に重大な損害を与えるというWTO協定の発動要件を満たしていないと判断したためである。最終決着は早くても来年以降になる見通しである。それまでは、対米鉄鋼輸出14品目に8〜30%の関税上乗せが続くことになる。


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[世界経済]

(1) アジアIT工場動く(3/19) **

 アジアのIT製品の生産・出荷が回復した。アメリカの在庫調整が終わったのに加え、アメリカ同時テロで低迷すると予想されたアメリカ消費が、底固さを見せているからである。しかし、アメリカ企業は、IT投資に依然慎重であり、アジアの生産現場が本格回復に向かうかは、不透明である。


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(2) ドイツ長期構造不況の足音(3/20) **

 ドイツは、EUの発展やユーロの導入を常にけん引してきたが、今やユーロ圏で最悪の財政赤字に陥り、企業の業績悪化と迷走も目立つ。旧東独へのインフラ建設や失業対策に充てた財政投資は、91年からの9年間で5110億ユーロ(約59兆円)を超え、結果的にドイツ政府の財政赤字は増え、2001年の財政赤字の対GDP比は、2.6%に達した。3%超を禁止するEUの財政安定化協定に抵触する恐れもあり、EUが警告を検討したほどである(しかし、旧東独の失業率は、全国平均の2倍で約20%と高水準のままである。高賃金を嫌い、企業進出も鈍い)。また、政財一体の「ドイツ株式会社」は、特にアメリカでは通用せず、買収先や投資家との摩擦や採算悪化を招いた。ダイムラーは北米事業でつまずき、ドイツテレコムは欧州企業で最悪の債務を抱えている。安い労働力により高成長を続ける東欧諸国のEU加盟を控え、経済大国ドイツの苦悩は深い。


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[環境問題]

(1) 新しい地球温暖化対策推進大綱決定(3/20) **

 新大綱は、京都議定書の目標年次の2010年の温暖化ガス排出が90年比で約7%増加すると予測している。同議定書が定める90年比6%の削減義務を達成するには、約13%の削減が必要と指摘している。同大綱は、温暖化ガスの大半を占めるCO2排出について、部門別目標を設定した。産業部門の排出を、90年比で7%減、家庭や事務所など民生部門の排出を同2%減、自動車など運輸部門の排出を同17%減に抑える。さらに、温暖化ガス排出権を他国から買う制度などを活用し、目標を達成するとしている。


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