3月第5週(3/24〜3/30)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 公示地価11年連続下落(3/26) ***

 国土交通省によると、今年1月1日時点での公示地価は、全国平均で前年比5.9%下がり、11年連続の下落となった。ピークの91年に比べ、全国平均で、住宅地は36.0%下落し87年の水準となり、商業地は62.0%下落し80年の水準にまで落ち込んだ。三大都市圏では、住宅地は91年比で52.1%、商業地では76.1%下落した。地方の大型店や工場閉鎖が重なり、下落幅は2年ぶりに拡大した。都心部では、下げ止まり傾向が出てきたが、地方では下落が進み、利便性による選別が鮮明となってきた。資産デフレは止まらず、企業や銀行の経営を圧迫している。


[先頭] [Home] [今週のトピック目次]

(2) 大手銀行の不良債権1年で4割増加(3/27) ***

 大手銀行12行の3月末の不良債権残高が、昨年9月末と比べ2割強増え24兆円強になる見通しとなった。1年前と比べ、4割強の増加となった。景気悪化に加え、金融庁の特別検査で貸し出し資産の査定を厳格化したためである。政府は、特に問題のある不良債権の3年以内の最終処理を迫っており、経営不振企業の再建・処理が急務となっている。


[先頭] [Home] [今週のトピック目次]

(3) 大手銀行、株価上昇で安どー3月危機回避(3/30) ***

 大手銀行の今3月期末時点の有価証券の含み損は、半年前から2超円弱減少し、1兆円強になった。三菱東京、UFJの2グループは、含み益に転じた。各行の自己資本比率も、8〜11%を確保した。大手銀行の経営も、期末の株価上昇により、とりあえず安定感を取り戻した。日経平均株価が1万円を割っていた2001年9月末の大手行合計の含み損は、3兆900億円であった。一方、今3月期末の含み損は、1兆100億〜1兆1300億円に減ったと見られる。また、貸し出し資産の証券化などで資産を圧縮する一方、資本増強を進め赤字による自己資本の減少をカバーした。


[先頭] [Home] [今週のトピック目次]


[世界経済]

(1) ロシア経済GDP4年連続増加へ(3/25) **

 ロシア経済が、拡大基調を維持しており、2002年も実質GDP成長率は3〜4%増え、4年連続でプラス成長となる見通しである。株価は、98年の経済危機以来の高値を更新している。昨年末から今年にかけ、鉱工業生産が急減速したが、原油相場の回復が経済を下支えしている。


[先頭] [Home] [今週のトピック目次]

(2) アメリカ雇用改善の動き(3/29) **

 アメリカで、雇用を増やす動きが目立ってきた。昨年9月末の同時テロで人員を削減した航空大手が呼び戻しを決めるなど、サービス業の採用が活発である。製造業は、慎重であるが、人材派遣会社を活用して、生産を拡大するケースが増えている。なお、アメリカの昨年の10〜12月期の実質GDP成長率は年率換算で1.7%となり、景気後退が短期で終わったことが明らかとなった。しかし、個人消費は高い伸びであるが、設備投資は伸びが低調であり、回復の持続力には不透明感が残る。


[先頭] [Home] [今週のトピック目次]


[競争政策]

(1) 航空2社統合なぜ待った?(3/24) *

 日本航空と日本エアシステムの経営統合が、国内の航空路線の「競争を実質的に制限する恐れがある」として、公正取引委員会が待ったをかけ、統合の見直しを求めた。問題は、現在の大手3社―上記2社と全日本空輸―の体制でも、同調的な運賃設定が見られる点である。例えば、2000年4月に3社が15%の値上げをし、各路線でほぼ同じ運賃になった。経営統合で、大手3社が2社になれば、同調的運賃設定がさらに容易になるといえる。しかし、両社が、羽田空港の発着枠を一部返上したり、スカイマークなどに空港施設の提供など援助して、競争環境を整えることにより、統合を目指すことが考えられる。


[先頭] [Home] [今週のトピック目次]