5月第3週(5/12〜5/18)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 所得税の課税最低限(5/12) **

 税制論議のなかで、課税最低限が焦点の一つになっている。これ以下なら、納税が免除される所得額である。様々な控除額により、課税最低限が決まる。所得税の場合、独身者は給与所得が114万4千円以下ならば納めなくてもいい。妻と子供二人のサラリーマンならば、384万2千円が分かれ目になる。働く人の4分の1は、所得税を納めていない。課税最低限を引下げ、課税対象を広げようとしているのは、一つには、高い税金を払っている人の不公平感を和らげ、働く意欲を引き出せるとみているからである。課税最低限を引下げる一方で、高額所得にかかる税率を引下げれば、税負担を広く浅くすることができる。欧米では、このような改革を進めることで、国の競争力を高めたという評価がある。

 アメリカの夫婦と子供二人の世帯では、課税最低限は、299万8千円であり、イギリスは、さらに低く137万円となっている。したがって、日本は、まだ下げ余地があると、財務省はみている。


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(2) 景気の谷1−3月(5/14) ***

 景気の谷が、今年1−3月期との見方が広がってきた。アメリカやアジアの景気回復による輸出の増加や生産関連での指標の改善が相次いでおり、政府は5月の月例経済報告で「景気の底入れ」を宣言する。しかし、景気の本格回復には時間がかかり、今年度後半以降という見方が大勢である。特に、設備投資や個人消費の回復の遅れを指摘する声が多い。


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(3) 日本ODA世界一に幕(5/14) ***

 経済協力開発機構(OECD)開発援助委員会によると、2001年の政府開発援助(ODA)の供与額で、アメリカが日本を抜いて首位になった。日本のODA額は、前年比28.4%減の96億7800万ドルに落ち込み、91年から10年間に渡り維持していたトップの座を明渡した。日本は、ODA大国の道を突き進んできたが、財政悪化の中で供与額は減額を迫られる。アメリカ同時テロを受け、欧米諸国は貧困解消のため、ODA拡充に動く構えである。


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(4) 生前贈与税負担軽く(5/15) **

 高齢世代に偏る金融資産などを若年・中高年世代に移して、経済活性化につなげるため、基礎控除は2001年度税制改正で60万円から110万円位拡大された。同時に年間所得1200万円以下などの条件を満たす場合、住宅取得資金の贈与の特例として設けていた300万円の非課税枠も、550万円に広げた。産業界や与党などには、住宅投資や消費を刺激するため、一層の非課税枠拡充を求める声も出ている。


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(5) 国際収支2つの逆転(5/16) ***

 日本の国際収支で、2つの逆転が現実味を帯び始めている。1つは、配当や利子など海外資産から得る所得収支の黒字が、貿易収支の黒字を構造的に上回る可能性である。財務省によると、2001年度では、所得収支黒字が貿易収支黒字に肉薄した。成熟債権国である日本の姿が、くっきりと浮かび上がっている。もう1つは、輸入の米中逆転であり、中国からの輸入がアメリカからの輸入に迫るほど増えている。日本企業の中国への直接投資による生産の日本への逆輸入による側面が大きくなっている。


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(6) 電力系新電電が統合(5/17) *

 東京電力系の東京通信ネットワーク(TTNet)と、電力10社が出資する長距離データ通信専門会社パワードコムが来年春にも統合する予定で、電力系新電電が経営統合に乗り出す。その後、他の電力9社の系列9社も加わる予定である。光ファイバー網に強みを持つ電力系が結集し、NTTグループに対抗する。


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(7) 景気底入れ宣言−5月月例報告(5/18) ***

 政府の5月の月例報告で、景気は「以前厳しい状況にあるが、底入れしている」との判断を示し、事実上の景気底入れ宣言をした。輸出や生産が好転し、個人消費にも底堅さが見えるとした。しかし、直ちに回復に向かうものではないとしている。


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