5月第5週(5/26〜6/1)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 個人消費底ばい脱せず(5/28) ***

 経済産業省によると、4月の商業販売統計では、百貨店とスーパーの販売額がともに前年を割り込んだ。品目別には、食料品に底堅さがあるが、外食や家電の売上高は尚低迷し、ばらつきが見られ、力強い回復は見込めそうにない。サッカーのワールド・カップによる消費刺激効果も限られるとの見方が多い。


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(2) 特損3年連続10兆円超(5/30) **

 上場企業が今3月期に計上した特別損失は、連結ベースで11兆1千億円に達し、3年連続で10兆円を超えた。土地や持ち合い株式など保有資産の下落を反映させる減損処理が広がった上、リストラによる割増退職金などもかさんだ。2001年度の特損総額は、本業の儲けを示す連結営業利益の約7割に当たる。

 2兆790億円と最大の特損を計上したNTTは、AT&Tワイヤレスなど出資先を含む資産の評価損は、1兆4千億円強に上った。また、新日鉄の特損の6割は、みずほホールディングなど銀行の株の評価損が占めた。

注:特別損失・・・特別の要因で一時的に発生する損失を示す。不動産売却損や有価証券評価損、災害被害による損失、リストラによる特別退職金などが含まれる。本業や財務活動による損益を示す経常利益には含まれない。


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(3) ムーディーズ、日本国債2段階下げ(6/1) ***

 ムーディーズ・インベスター・サービスによる日本国債の二段階引下げは、チリやチェコを下回る。経済力を考慮すればその妥当性を疑う声もある。しかし、ムーディーズは、政府債務とそれを十分に管理できない政府に、あえて警告したといえる。政府債務の対GDP比は141.5%(2002年予測値)で際立って大きく、先進各国だけでなく、チリなども下回る格付けとなった。一方、名目GDPはアメリカについで第二位であり、一人当たりGDPも世界で有数の高さである。対外純資産残高も、2001年末で約179兆円と11年連続で世界一の債権国になったのは確実である。ムーディズもこうした指標を考慮したといっているが、最終的に政府債務残高にスポットをあてた。


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[規制緩和]

(1) 東電、ガス小売り参入(5/26) *

 電力各社が、相次ぎガスの小売りに参入する。東京電力は、第一弾として、12月から三菱レイヨンへの販売を開始する。今春から進出した関西電力も、今年度中に新たに17ヶ所に販売する。電力各社は、都市ガス各社より数%安い価格で販売するという。電力各社は、国内で使われる液化天然ガス(LNG)の約7割を長期契約で輸入するが、電力需要低迷や参入者との競争激化で、発電所稼働率が低迷し、余剰感が強まっている。電力各社の攻勢により、欧米の2〜3倍とされる国内価格の引下げにつながりそうである。

 都市ガス市場は、年百万立方メートル以上の大口需要家向け小売りが、99年に自由化された。今後は、同1万立方メートル程度以上まで範囲を拡大する方針が固まった。


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(2) 通信料・サービス、新電電向け規制撤廃(5/27) **

 総務省は、来年秋にも通信料金やサービスを大幅自由化する方針を固めた。新電電各社と新規参入事業者への届け出制などの規制は原則的に全廃する。NTTグループへの規制も緩和し、競争を促す。新電電は、企業向け大口割引を自由に出来るようになり、NTTは高速インターネット・サービスの自由度が増す。新規参入も許可制から届け出制に移行し、アメリカ並みの自由化が進む見通しである。


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