10月第4週(10/20〜10/26)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) パートタイム従業員(10/20) **
労働時間が正社員より短い従業員を指すが、労働時間が正社員と同じでも非正社員の呼称としてパートを使う企業も多い。全雇用者に占める割合は、4分の1程度と見られる。パート全体の約7割は、女性が占める。年代別では、若年者と高齢者に多い。最近は、正社員の採用が抑えられており、新規学卒者の2割弱はパートとして仕事を始めるため、若年層で急増している。高齢者は、退職後に収入を補うため、短時間勤務に就く人が多いためと見られる。
(1) アイルランド国民投票―EUの拡大承認(10/21) ***
EU 拡大の前提となるニース条約の批准を問うアイルランドの国民投票は、19日に行われ賛成多数で批准が承認された(昨年6月の国民投票で批准をいったん拒否していた)。これによりEU加盟国すべてが批准するとの発行条件が整い、EU拡大は予定通り動き出すことになった。12月のEU首脳会議で、ポーランドやチェコなど10カ国の加盟を正式に承認する。
(2) 対米貿易黒字、中国今年も最大(10/22) **
中国が、3年連続対米貿易黒字国となる公算が強くなってきた。今年8月までに、既に第二位の日本の1.4倍の633億ドルとなっている。アメリカへの最大貿易黒字国は、長く日本が一位であったが、2000年から中国がトップとなっている。中国のアメリカ向け輸出品は、電気製品や産業機械など付加価値が高い製品にシフトしつつあり、アメリカにとって中国経済の存在感は一段と高くなっている。
(3) 中国の海外からの直接投資額、アメリカを抜きトップ(10/25) ***
国連貿易開発会議(UNCTAD)2002年の海外からの中国向け直接投資額が、アメリカを抜いて世界一になる見通しである。国際的な合併・買収(M&A)の激減により、アメリカを初めとして投資は減少し、世界全体では27%減少したが、中国は独り勝ちの様相である。今年は、500億ドルに届くと予想される。経済自由化と産業再編成が投資流入を促進し、WTO加盟がそれを加速した。世界的な直接投資の減少は、世界的景気減速に加え、不正会計などの不祥事のためといえる特に、アメリカは、2001年の1240億ドルから、2002年は440億ドルへと落ち込むと予想される。
(4) EU、東西が一体化(10/26) **
当初、10各国の加盟は、予想が困難であった。しかし、ユーゴのコソボ紛争に苦しんだ欧州各国は、地域安定のためEUを東に広げるべきだと判断した。政治的思惑が先行気味であるが、経済への効果も計り知れない。加盟の中東欧諸国の成長率は、現加盟国を1〜2%上回る水準が続く。成長地域との一体化は、欧州経済の活性化要因になる。既に、低賃金に引かれた有力企業の東方進出が相次いでいる。しかし、東方進出が、現加盟国の空洞化をもたらす恐れがある。例えば、ドイツ企業は、生産の相当部分を中東欧に移しつつあり、ドイツ国内で失業者が増える可能性がある。
一方、急激な変化を緩和したい現加盟国は、防波堤も敷いている。欧州委員会の勧告書は、新規加盟国からの輸入を制限できる条項を明記している。25日の首脳会議では、対象期間を前回拡大時の3倍の3年間に拡大した。労働力の流入については、最大7年間の規制が可能で、東欧側から不満も出ている。
EU(欧州連合)が現在の15カ国から最大27カ国に拡大した場合に備え、意思決定の仕組みの変更などを定めたEU基本法である。2000年12月に、フランスのニースで開いたEU首脳会議で採択された。加盟国増加で政策決定が停滞するのを防ぐため、多数決で決定する分野を広げるとともに、国別の投票持ち数を再配分した。一部加盟国だけで政策統合を進められる枠組み(先行統合)も導入する。