10月第5週(10/27〜11/2)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 経済特区の役割(10/27) **

 経済特区とは、規制緩和などにより、他の地域とは違う特別な経済制度で運営される地域である。他の地域では認めていない事業を企業に認めたり、優遇税制を適用したり、補助金を与えたりして、特区が生まれる。政府が、特区を作ろうとするのは、第一に、優遇措置で、企業が進出し、雇用が増える。しかも、お金をかける必要がない。第二に、同時に、地方経済の浮揚効果も期待できる。第三に、規制緩和が遅れている分野について、特区を設け、その後全国に広げる考えがある。全国で緩和すると、不安感や規制に守られている既得権益を有する事業者の猛反発を受けがちである。そこで、特区で規制緩和を実施し、活性化に効果があり、府の影響も少ないと確認したうえで、全国的に拡大する。

 歴史上では、江戸時代に外国貿易を認めていた長崎の出島を特区とみることができる。中国の特区も、改革開放の実験場であったといえる。日本でも、4月に、名護市が金融業に優遇税制を適用する金融特区に指定された。

 政府は、今月、今後進める包括的な特区の具体策を決めた。しかし、株式会社の学校、病院への参入など、特区の影響が大きいと見る業界や所管官庁の反対で盛り込まれていない。


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(2) デフレ対策決定―不良債権2004年度に半減(10/31) ***

 政府は、30日総合デフレ対策を決定した。銀行の不良債権処理の加速に向け、貸出債権の査定方法の強化を進め、自己資本が不足する銀行には預金保険法により公的資金を注入することを明記した。再生可能な企業の受け皿となる「産業再生機構」(仮称)を官民出資で設立し、産業の再編や再生を促すことも盛り込んだ。日銀も、追加の金融緩和政策決定し、政府・日銀一体でデフレの克服を図る。

(注)産業再生機構:既存の整理回収機構とは別組織として、設けられる。要管理先債権のうち、主力行の支援が明確な企業向け債権を非主力行から購入する。この機構は、追加融資、出資、保証なども出来る金融機関とし、経営再建を支援する。産業再編や企業の早期再生に向けた基本指針を年内にも定め、再生機構がそれに沿って再生可能と判断した企業について不良債権を購入する。


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[世界経済]

(1)ブラジル大統領に野党ルラ氏−命運握るIMF融資(10/29) **

 国際金融市場にとり、最大の関心は新政権がどんな財政政策を打ち出すかである。アルゼンチン危機が波及するのを恐れたIMFは、8月に通貨レアルが急落したブラジル政府に300億ドルの融資枠を設けることで合意した。融資枠から資金を引き出す条件として来年度の財政黒字を対GDP比で3.75%以上に保つように求めていた。ルラ氏は、選挙公約として失業対策などの財政支出拡大に動き、融資が実施されない場合もある。この場合、レアルは再び大きく動揺しそうだ。


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(2) アメリカ、7〜9月期年率3.1%成長(11/1) ***

 アメリカ商務省によると、アメリカの7〜9月期の実質GDP成長率は、前期比3.1%と四期連続のプラス成長となった。内訳をみると、内需の7割を占める個人消費は、4.2%増で前期より伸びが拡大し、企業の設備投資は0.6%増と2年ぶりに増加に転じた。しかし、今後の景気の先行きには、デフレ懸念やイラク攻撃などの有事リスクがあり、減速懸念があり、利下げ観測が強まる可能性がある。


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[競争政策]

(1) 米連邦地裁、マイクロソフト和解案承認(11/2) **

 米ワシントン連邦地裁は、マイクロソフトの反トラスト法(米独占禁止法)違反訴訟で、同社と司法省が昨年秋に合意した和解案に関して、公共の利益にかなうとして、基本的に承認した。和解案は、同社の独占的支配力を排除して競合ソフトを開発しやすくするため、OSの技術情報の一部公開などを義務付けた。和解案の是正措置以上の命令の追加には反対の姿勢を地裁は示したため、裁判の流れは決まり、訴訟終結へと動き出した。98年に始まったこの訴訟では、連邦地裁が2000年にマイクロソフトに分割命令を出した。しかし、ブッシュ政権が発足すると流れは転換し、連邦高裁が6月に分割命令を破棄し、連邦地裁に再審理を指示し、11月に司法省とマイクロソフトが和解した。 


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[知って得する用語―環境税]

 地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の発生源となる石油や石炭などの燃料に課す税のことである。英、仏、スウェーデンなど欧州の一部では既に導入されており、CO2の排出を抑制するとともに、温暖化対策の財源を確保する目的がある。国内では、昨年6月、中央環境審議会(環境相の諮問機関)が2005年以降の早い時期に環境税を導入すべきだとする中間報告をまとめた。


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