9月第2週(9/8〜9/14)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 製造業、輸出依存高まる(9/14) **

 自動車、鉄鋼など国内製造業の輸出依存度が高まっている。トヨタの国内生産に占める輸出比率は、今年16年ぶりに五割を上回る勢いである。新日鉄の輸出比率も17年ぶりに三割を超す可能性が大きい。国内需要の低迷を外需で補う構図であるが、急激な円高や世界経済の減速もあり、危うさも含まれている。

表1 自動車大手の輸出比率
  (2002年1〜7月期)     
トヨタ自動車 51.1%
ホンダ 33.5%
日産自動車 45.1%
表2 鉄鋼大手の輸出比率
(2002年度上半期見通し)
新日鉄 35%
川崎製鉄 48%
NKK 33〜34%


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[世界経済]

(1)アメリカ景気は減速(9/12) ***

 アメリカ連邦準備理事会(FRB)は、11日発表した「地区連銀経済報告」で、過去数週間に経済成長が減速したとの認識を示した。7〜8月にかけ不安定な株価の動きや設備投資の回復の遅れを受け、景気判断を後退させた。業種別では、製造業は、自動車など一部を除いて、全体的に停滞した。ハイテクや建設資材の弱さを示す報告も目立った。FRBは、8月に当面の政策運営方針を中立型から景気配慮型に変更している。


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[規制緩和]

(1) NTT東西、長距離進出(9/10) *

 NTT東西地域会社は、県間通信サービス(長距離サービス)に参入する方針を固めた。今月中にも、総務相に認可を申請する。低料金のIP電話や企業向けのデータ通信サービスを始める。昨年のNTT法改正で、両社は新業務に進出できるようになった。また、背景には、固定電話の急速な収益悪化がある。市内の固定電話は、携帯電話の普及や新電電との値下げ競争により、東西とも2001年度決算で前年比10%以上の減収となった。経常損益は、NTT東が75億円の黒字であるが、前年より半減し、NTT西は、1704億円の赤字となった。また、ブロードバンド通信事業も競争の激化により伸び悩んでいた。


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(2) 電力10社値下げ出そろう(9/11) ***

 電力大手10社の今年度の料金改定がまとまった。2007年前後に予定される電力小売りの全面自由化に備え、各社は今後も値下げを予定している。各社は、3ヶ月に一度為替レートや原油価格を料金に反映しているが、今回は効率化で捻出した資金を値下げに当てる。自家発電事業者や新規参入者への競争力を高める狙いである。しかし、東京電力の原子量発電所自主点検記録改ざん疑惑で、値下げ資金の源泉である原発の稼動力向上が難しくなる可能性が高い。東電も、記録改ざん疑惑の対象の5機の原発で、停止を迫られた。 


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              [知って得する数字]

名目GDP 実質GDP(95年基準)
1999年度 514.3( 0.2) 527.0(1.9)
2000年度 513.0(−0.3) 535.7(1.7)
2001年度 500.8(−2.8) 528.6(−1.9)
      注:単位は、兆円。カッコ内は、成長率。

 寸評:2000年度は、名目GDPは減少したが、デフレーションのため、実質GDPは増加した。2001年度もデフレーションであったが、名目・実質GDPとも減少した。


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