9月第3週(9/15〜9/21)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) デフレとは何か? ***

 デフレーションの略で、一般に2年以上の物価下落をデフレと呼んでいる。政府は、消費者物価指数が前年比1.0%減となり3年連続で低下したため、2001年度の経済白書で、「日本経済は、緩やかなデフレの状態にある」と記した。これは、第二次大戦後初めてのことである。いくつかの原因が考えられる。第一に、モノやサービスへの需要が不足し、価格を下げなければ売れなくなっているという事情がある。第二に、アジアからの安い製品が輸入され、値下げ競争を招いているという状況がある。

 物価が下がれば、消費者が同じ所得でより多くのモノが買えるのはプラスの側面である。一方で、企業の収入が減り給料が下がれば、消費の低迷が進む。特に、土地や株式などの資産デフレは深刻であり、企業は土地などを担保とした銀行からの融資が減り、設備更新に慎重になる。銀行も新規の貸出がしにくくなる。個人も手持ちの資産価格が低下すれば、消費を控えるようになる。多くの企業や個人がこのような行動を取る結果、投資や消費が冷え込むことになる。このため、政府は減税などの消費拡大につながるような政策を打ち出す予定である。


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(2) 要管理債権引当強化(9/17) ***

 金融庁は、首相より指示を受けた不良債権処理を加速させる方策の検討に入った。元利金の支払いが滞る要管理債権には、大手銀行に将来の貸倒れに備えた引き当てを強化するように求める方針である。破綻懸念先債権や破綻先・実質破綻先は、帳簿から切り離す最終処理を2002年度中に10兆円以上実施するよう求める予定である。

大手銀行の不良債権(以下の3分類、単位:億円)
破綻先、実質破綻先 35,290
破綻懸念先 129,790
要管理債権 118,770
(正常債権      2,985,770億円)


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(3) GDP上方修正(9/11) **

 内閣府によると、4〜6月期の国内総生産(GDP)の改定値は、実質で前期比0.6%増となった。速報値より0.1%上方修正され、年率換算では1.9%成長から2.6%成長に改定された。上方修正の主因は、外需の押し上げ幅が拡大したことである。速報値では輸入は前期比で3.8%増だったが、改定値は2.6%増に縮小した。外需の寄与度は、0.3%から0.4%へと拡大した。


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(4) 円安・株高大幅に進む(9/18) **

 17日の東京市場で、円安・株高が進んだ。イラクが国連による大量破壊兵器の査察受け入れを表明したことで、当面は米国のイラク攻撃が回避されるという見方が広がり、円相場は、約3ヶ月ぶりに1ドル=122円台後半に大幅下落した。査察受け入れと円安を好感して、日経平均も300円を超す大幅高となり、約2週間ぶりに9500円台を回復した。


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(5) 日銀、銀行保有株買い取り(9/19) ***

 日銀は、政策委員会会合を開き、大手銀行が保有する株式を直接買い取る方針を決めた。銀行に、経営安定化のために自己資本以上の株式の売却を促しているため、売却による株価下落が金融システムに与える影響を小さくする。10月から、1〜2年程度で大手15行を対象に4兆円程度の上場株式を時価で買う方向で検討する。


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(6) 景気、環境厳しさを増すー政府月例報告(9/19) **

 竹中経済財政担当相は、9月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。景気は、一部に持ち直しの動きが見られるものの、環境は厳しさを増しているーとの判断を示し、株安や米経済の減速に対する警戒感を強めた。先行きも、株安などで、国内需要が抑制される懸念が強まりつつある。


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(7)基準地価11年連続下落(9/20) ***

 国土交通省によると、7月1日時点での基準地価は、全国平均で前年比5.0%下がり、11年連続の下落となった。住宅地は4.3%下落し、商業地は7.2%の下落となった。いずれも下落幅が拡大した。特に、地方都市は下落に歯止めがかかっていない。基準地価は、都道府県が毎年7月1日時点で調査する地価で、国が公表する1月1日時点での公示地価と並び、土地取引の目安となる。基準地価が最も高かった91年に比べ、下落幅は、住宅地で23.3%、商業地は51.6%に達した。その結果、金融機関を始め、ゼネコン(総合建設会社)、流通業など、経営不振企業が抱える土地の含み損拡大は必至である。


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