9月第4週(9/22〜9/28)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) 回収機構、不良債権購入を拡大(9/27) ***
金融庁は、銀行の不良債権処理を加速させるため、整理回収機構(RCC)の不良債権買い取り価格を引き上げ、不良債権の購入を拡大する。現在は、不良債権の時価による買い取りが原則であるが、買い取り価格が債権の元本価格(簿価)の10%前後の留まっていた。このため、回収機構への債権の売却が進まなかった。今後、債権の簿価から、将来の貸倒れに備えて計上した引当金を引いた「実質簿価」でも購入する方向である。しかし、厳格な引き当てを条件にする。一方、銀行の厳格な査定を条件にしても、買い取り価格の上昇により、回収機構の財務内容が悪化する懸念が高まる。
(1) 時価総額1500兆円目減り(9/25) ***
日米欧アジアの主要9株式市場の時価総額は、2年半前のピーク時に比べ12兆ドル強(1500兆円)減少した。これは、2001年の世界の国内総生産(GDP)の31兆ドル強の4割に匹敵する。ハイテク企業の業績不安が再燃しているのが主因である。株価急落が企業の資金調達難を招くなど、株安と実体経済の悪化が連鎖的に進む懸念も生じてきた。
(1) 内部告発なら課徴金減免(9/26) **
公正取引委員会は、価格カルテルや入札談合など独占禁止法の違反行為に加わった企業や個人が内部告発した場合、課徴金などを減免する制度の導入を検討する。自浄作用に期待し、公取委への通報を促すことで、独禁法の違反の摘発を促進することを狙う。2004年度の独禁法改正を目指す予定である。現行法では、減免措置がなく、違法行為が表面化しにくい一因になっていた。公取委によると、主要国では内部告発者への罰金刑や制裁金の減免措置を競争法(我が国では独禁法)に示されていないのは、日本だけである。また、内部告発者が不当な扱いを受けないようにするために、名前を秘匿するなどの保護措置も併せて検討する。
1999年 | 2000年 | 2001年 | |
実質GDP成長率 | 4.1% | 3.8% | 0.3% |
失業率 | 4.2% | 4.0% | 4.8% |
貿易収支(億ドル) | −3288 | −4361 | −4119 |
個人消費(前年比) | 6.7% | 7.0% | 4.5% |
貯蓄率 | 2.6% | 2.8% | 2.3% |
[寸評]2001年からの景気後退に伴い、同年の各指標は変化している。特に、実質GDP成長率が大きく低下し、失業率の上昇が顕著である。 |