11月第4週(11/19−11/25) *が多いほど、経済事情の頻出分野(最高3つの*)


(1)米ビッグ3在庫調整へ減産(11/19) **

 ゼネラル・モーターズ(GM),フォード・モーター、ダイムラークライスラーの米自動車ビッグスリーは、在庫増加のため、減産に踏み切った。20日から3日間が対象で、レイオフ(一時解雇)は3社で1万5300人に及ぶ。好況が続いた自動車販売は、10月前年同月比減少となり、今後も在庫調整が続く可能性がある。


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(2)GNP公表今年度限り−経済企画庁(11/20) **

 経済成長の代名詞であった国民総生産(GNP)の公表を、2000年度を最後に経済企画庁は打ち切ることになった。グローバルな資本移動が拡大し、GNPでは国内の生産活動や景気動向をつかめなくなったと判断したためである。GNPが持っていた役割は、GDPが担う。GNPは日本の居住者が1年間に生み出す財・サービスのことであり、GDPは日本国内で生み出された財・サービスのことである。

(GDP,GNPについては、原山広之合格への30題−経済原論II」(テーマ1) コーナンソフト 1999年 参照)


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(3)内閣不信任案否決へ(11/21)

 加藤・山崎両派は、主流派の切り崩しにあい、本会議での勝算がないと判断、内閣不信任案の本会議を欠席することになった。これにより、不信任案は否決される見通しで森首相は続投となった。


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(4)日本来年2.3%成長に−OECD経済見通し(11/21) ***

 経済協力開発機構(OECD)は、加盟30か国の経済見通しを報告し、日本の実質成長率は2000年が1.9%,2001年が2.3%と予測した。日本では、「緩やかな景気回復が進行している」としている。アメリカとEUの実質成長率の予測は、次のとおりである。

2000年 2001年
アメリカ 5.2% 3.5%
E  U 3.4% 3.0%
日  本 1.9% 2.3%


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(5)NTT中間決算営業利益8%増−ドコモ頼み鮮明に(11/21) *

 NTTが発表した今年9月の中間決算は、連結営業利益が6103億円で、前年同期比8%増えた。固定電話収入が減少し、携帯電話収入やインターネット向けのデータ通信収入が増加し、営業利益に占めるNTTドコモの比率は約7割となり、ドコモ頼みが鮮明となっている。また、NTT東西地域会社は、四半世紀ぶりに、来年5月までに3分10円を9円に引き下げる方針を発表した。


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(6)電力小売り参入障壁排除−送電量など調査(11/22) *

 電力事業は、今年3月から大口需要家への小売りが自由化されたが、新規事業者は3社に留まっている。このため、通産省は、電力会社の料金・コスト構造や新規参入の妨害行為などの実態調査に乗り出す。電力会社の参入妨害が判明すれば、公正取引委員会と協議して、競争ルールを定めた指針を改定し、独占禁止法により是正を求める。関係者によると、次のようなケースがあるという。第一に、新規事業者が電力会社に送電してもらう「託送」を、緊急時への備えを理由に拒否することがある。第二に、電力会社が、新規事業者を妨害するため、一般企業の自家発電設備を高値で買い取る。第三に、部分的に電力の供給を受けながら、余剰電力を小売りしようとする大口需要家に優遇契約を打ち切ると圧力をかける。このほか、通産省は、自由化されてない小口需要家からの利潤を、大口需要家向け料金の値下げ資金にしていないかを調査する。


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(7)補正予算が成立−総額4兆7800億円(11/23) ***

 2000年度補正予算が、22日夜参院本会議で可決成立した。これは、事業規模11兆円の日本新生経済対策を具体化するもので、情報技術(IT)推進等経済対策関係に3兆8521億円を充てている。歳入は、税収増や前年度剰余金を充当し、さらに約2兆円の建設国債を発行する。


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(8)今年の海外旅行過去最高の1700万人へ(11/23) **

 個人消費の低迷が続くなか、海外旅行の増加が増加している。単価の下落、中高年の海外旅行意欲の高まりなどが、主な要因である。日本人出国者の過去最高は、97年の1680万人であった。9月までで、今年は97年の同期より約50万人多く、今年は1700万人は突破するものとみられる。


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(9)通信分野に独禁法指針((11/23) *

 公正取引委員会は、通信分野の競争を促すために、独占禁止法の運用指針(ガイドライン)を来年度中にも作成する方針を固めた。指針には、不当な通信料金の設定の設定禁止やNTTグループの異業種参入や業務範囲拡大を認める条件などを盛り込む方針である。また、NTTに対し、NTTドコモへの出資比率を50%未満に引き下げるよう求める予定である。


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 (10 )ASEAN(東南アジア諸国連合)自由貿易圏構想−中国封じ込めで攻防(11/24) ***

 ASEANの一連の会議では、背景に「中国の経済大国化」がある。日米欧企業の直接投資を独り占めし始めた中国に、ASEANは懸念を強めている。今年上半期のタイ、シンガポールの外国企業投資認可額は、昨年並みに留まった。マレーシアは半分、インドネシアは1/5程度に激減した。一方、中国は1−8月に前年同期比31%増で、中国一人勝ちとなっている。さらに、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟すれば、ASEANからの直接投資のシフトが進むとみられている。ASEANは、ASEAN自由貿易地域(AFTA)構想(2002年から域内関税を5%以下に下げる等)に実現を急ぎ、中国の直接投資吸収に歯止めをかけたい考えである。


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(11)上場企業連結純利益2.1倍に−上半期好調が寄与(11/25) **

 金融を含む2001年3月期の全産業の連結純利益は、前期比2.1倍に拡大する。IT関連産業の伸びに加え、アメリカ、アジアへの輸出が好調で、全体の売上高が増加に転じることが寄与する。今年下半期は、株価の低迷、設備投資の頭打ち、金融等の不良債権の増加、アメリカの景気減速の懸念等があり、増益ペースは鈍化する。


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 (12)99年度GDP成長率0.9%上方修正(11/25) ***

 経済企画庁は、GDPの算出方法を変更したことにより、新基準でのGDPを発表した。実質GDP成長率は1.4%となり、旧基準での0.5%から0.9%上方修正となった。金額では、約44兆円膨らみ、526兆円となった。名目成長率は−0.2%と、2年連続のマイナス成長となった。また、物価の基準が、90年から95年に改められ、物価下落の影響が大きくなり、実質成長率を引き上げた。


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(13)共産党現実路線を加速−志井氏委員長に(11/25) 

 共産党は、閉幕した党大会で、新指導部を発足させた。新体制は、世代交代と現実柔軟路線を推進し、党綱領の抜本改定が最大の課題となる。今回の党大会では、党規約の全面改訂と自衛隊の活用容認に成功した。


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(14)大手16行不良債権残高17兆円−高止まり続く(11/25) **

 大手16行の2000年9月期中間決算によると、不良債権額は、金融再生法基準によると、3月末とほぼ同じ約17兆円となった。景気回復の遅れで、経営が悪化する企業も多く、不良債権額は高止まっている。総与信額に対する割合も5.1%で、3月末比0.1%しか改善していない。


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